「センター試験の得点率は70%前後。どうしても医師になりたいのですが、浪人する余裕がありません。何か方法はありませんか?」という旨のお問合せがありました。通常の医学部受験では、センターで少なくとも85%以上取れる実力が必要ですので、確かに得点率70%だと厳しいですね。「浪人する余裕がない」ということですから、国公立医学部志望でしょうか? 通常の医学部受験以外で医学部に入る方法がないか、調べてみました。

編入学

基本的には大学卒業後、編入学試験を経て学士として医学部医学科の2年次に編入することができます。主に国立大学医学部で実施されていますが、公立や私立でも一部実施している医学部があります。また、岩手医科大学のように、歯学部からのみ編入学を認めている大学もあります。

国立42校中28校
公立8校中1校
私立31校中4校

2016年度の志願者数を入学者数で割った倍率は、国立23.1倍、公立4倍、私立14倍でした。

参考:医学部医学科入学状況(文部科学省)

通常の医学部受験より科目数が少なく、合教科型の試験が課されるケースが多くあります。例えば、浜松医科大学であれば、一次選抜は生命科学120点、英語60点の計180点のみで受験可能です。ただし、大学を卒業してからというのでは、現役生にとっては4年間(歯学部は6年間)の回り道になってしまいますので、学力・経済・気力等の面で厳しい道のりではあります。

その中にあって、筑波大学や群馬大学では、卒業を待たずに受験することが可能です。筑波大学医学類の編入試験は、大学2年修了時で62単位修了(見込み)であれば、出願資格を得られます。群馬大学医学部では、同じく大学2年修了時で一般教育科目等37単位以上(指定科目あり)の修得(見込み)で受験可能です。

参考:筑波大学 編入学入試   群馬大学 編入学入試

入学後に学部を選択

北海道大学の総合入試(一般前期)と金沢大学の理系後期一括入試では、入学後に医学部医学科を選択可能です。ただし、移行できるのは北海道大学が募集人員1,017人中5人(203.4倍)、金沢大学は同85人中1人(85倍)のみと非常に狭き門です。入学後にトップクラスの成績を維持する必要があります。

参考:北海道大学総合入試  金沢大学理系後期一括入試

転部(転学部)

他学部に入学し、医学部医学科への転部(転学部)を目指す方法です。昭和大学では、学則で以下のように定めています。

本学の医学部、歯学部、薬学部、保健医療学部の第1学年の学生で相互の学部へ転部を希望する者があるときは、選考の上、学年初めに限り、第2学年に転部入学を許可することがある。
昭和大学学則より抜粋

「許可する」のではなく、「許可することがある」とのことですから、確約はされていません。こちらも非常にハードルが高い方法です。

また、「欠員のある場合に限り、転部が許可されることがある」という医学部もありますが、これは運頼みになってしまいますので、現実的ではありません。

結論

いろいろ調べてみましたが、どれもハードルが高く、裏技というほどの方法はありませんでした。幅広い人材を求め、入試方法は多様化していますが、高レベルの学力が求められるのは共通しています。病院で勉強不足の医師に担当されるのは不安ですから、ある意味当然のことかもしれません。情報を集め、自分に合った入試方法を選び、合格最低点を安定的に取れるだけの学力を身につけることが、結局は医師になる最短距離のようです。