静岡から医学部へ 〜寺田 啓佑くん(東海大学 合格)〜

寺田 啓佑くん
静岡聖光学院高校卒。2019年度入試で東海大学に合格

家族の応援に感謝

医師になろうと思ったきっかけはなんでしょうか

やはり親が医師であることが大きかったと思います。ただ、昔から医師になろうと思っていたわけではありませんでした。期待される雰囲気があって、最初は嫌だったんです。勝手に決めてほしくないと思って反発していました。

そんな状況の中、医師を目指そうと思ったのは高1のときです。静岡聖光学院では高1のときに、自分の興味のある分野を1年間かけて調べる「個人研究プログラム」というものがあるんです。

私はサッカー部だったので、ひざのけがについて調べようと思って、実際に整形外科を訪問したりしました。リハビリの様子を見学させてもらったのですが、スポーツでけがをした人は1人もいなかったんです。高齢者の方々が、「体力が衰えて歩けなくなってしまった」「起き上がれなくなってしまった」ということで来院されていたんです。

そういった方々の話を伺って、痛みを減らしたり、機能を回復するお手伝いができれば、多くの人たちの生活を豊かにすることができるんじゃないかと感じたんです。この体験が、医師になろうと決めたきっかけになりました。

個人研究プログラムでは、原稿用紙30枚以上の論文を書かなければいけないのですが、将来について考える良い経験でした。このプログラムがなかったら、しっかりと向き合う時期がもっと遅くなってしまっていたと思います。

高校時代の学力を教えてください

いやもう散々だったと思います。現役時代の模試成績やセンター試験結果は、思い出したくないくらいです(苦笑)。

高校時代はサッカー部でキャプテンを務めていましたが、勉強する時間を確保しようと思えばできたと思います。ただ、勉強の仕方がよく分かっていませんでした。有名な参考書を買って、やってはみるのですが、解きっぱなしになっていて、復習もまったくしていませんでした。今思えば、模試の成績が上がるはずがありません。

そこで予備校に通うことにしました

同じ学校で、現役で浜松医科大学に合格した同級生が、近くにある医学部専門予備校に通っていたんです。その同級生から、いろいろと話を聞いていたので、受験が終わったらすぐにその予備校に行きました。

すぐにでも勉強したかったので、入塾後、授業が始まるより前から自習室に通って勉強を始めました。それでも、1浪目は、高校時代にあまり身を入れて勉強してこなかったことが影響し、模試の合格判定もすべてE判定でした。

先生が私の学力に合わせた授業を一からやってくださったのですが、「そこからか」と驚かれたりもしました。理科は生物基礎、化学基礎からやり直しました。

現役、1浪目、2浪目で変わったこと

現役の時はともかくとして、1浪目のときは復習が足りなかったと思います。2浪目になってからは、たとえば英語でしたら、長文で分からなかった単語をすべてまとめたりとか、数学であれば、間違えた問題をまとめて、もう一度解き直してファイルしたりしていました。生物も分からなかった問題をオレンジのペンで書いて、それだけの問題集をノート1冊作りました。化学も同様です。

1度間違えた問題は、もう絶対に間違えないということは、だいぶ意識していました。その結果、次に似たような問題が出てきて解けると、さらに勉強を続けようという気持ちになれました。2浪目から始めた勉強法ですが、だいぶ成果はあったと思います。

東海大学の試験当日の心構えを教えてください

当日は、自分が試験をどうやって解いていくかしか考えていませんでした。「この中で一番になれば合格できる」と、自分でも不思議なくらい前向きに臨むことができました。

十分に過去問演習を積んで、対策したからこそ、前向きになれました。対策を立てないで入試に臨むと、どんなに学力があっても厳しいと思います。私は、出題傾向もそうですが、時間配分もシミュレーションしました。東海大学だと、短い時間で高得点を取らなくてはいけないので、過去問演習をしっかりとやらないと合格は難しかったと思います。

東海大学は2日間受験したのですが、1日目に少し傾向が変わっていたんです。2日目はそれを頭に入れて、時間配分も含めて自分のできることをすべて出しきることができました。やはり、東海大学は2日間受験した方がいいと思いました。

基礎学力をつけるのは夏までかなと感じています。夏が終わると、入試まで一瞬なんです。嘘みたいに早く本番が来るので、夏までにある程度基礎を完成させておかないと、過去問演習が間に合わず、厳しくなると思います。

浪人生活を振り返って

友人たちが大学に進学して、成人式に行ってという話を聞くと、「遅れているな」と焦る気持ちはありました。ただ、2次面接で「浪人時代に辛かったことは?」と質問されることがありましたが、正直、辛くはありませんでした。大変ではありましたが、やりたいこと、将来就きたい職業が明確なので、そう思えたのかもしれません。

また、父から「オンとオフはしっかりと分けたほうがいい」と言われていたので、月に1度くらいは家族で食事に行って、リラックスする時間を持つようにしていました。そういった時間に、今どんな勉強をやっているかを報告したりもしていました。そして、翌日からはまた朝から塾で勉強して、という繰り返しでした。

勉強に関して、家族は口出しすることなく見守ってくれましたし、応援してくれました。本当に感謝しています。合格が分かったときには、家族全員が号泣しながら祝福してくれましたから、相当心配してくれていたんだなと気付かされました。初めて親孝行できたのかな、と感じています。

将来は、まだはっきりと決めているわけではありませんが、静岡に戻って、静岡の医療に貢献したいと考えています。

これから医学部を目指す人達へ

いったん医師になりたいと考え始めたのであれば、まずは医学部専門予備校に行って、情報を収集したほうがいいと思います。どんな人が合格しているのかを知ることができますし、自習室でずっと勉強している人たちを見ると、「頑張らないと」と刺激を受けることができます。私自身、早い時期に来ていれば、現役、あるいは1浪で合格できたんじゃないかと後悔していますから。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(寺田 啓佑くん)