静岡から医学部へ 〜Nくん(浜松医科大学 合格)〜

Nくん
清水東高校卒。2019年度入試で浜松医科大学に合格

絶対に医師になると覚悟を決めた

医師を目指すきっかけは何だったのでしょうか?

父が医師なので、物心ついた頃から、医療そのものが身近にありました。ただ、一番のきっかけとなったのは、兄が骨折して入院したことです。

新潟にスキー旅行に行っていて骨折したのですが、骨折した箇所の骨の中から腫瘍が見つかったんです。良性か悪性かの検査をしなくてはいけないのですが、新潟で運び込まれた病院では専門の医師がおらず、結局静岡に戻って検査することになり、その間は手術もできない状況でした。

結果は良性で、手術も無事に終わったのですが、それまでは家族全員が不安な気持ちで毎日を過ごしていました。医療の現場にはそういった不安を抱えた方たちが集まってきます。そういった人たちの不安を取り除き、回復の手伝いができる仕事に就きたいという気持ちが強くなったんです。

その後、医師という職業について調べたり、兄の骨折騒ぎのことを思い出したりしていくうちに、医師になる決意を固めました。

それからはずっと医学部志望だったのでしょうか

いえ、実は現役のときにセンター試験で76%しか取れず、国公立医学部が絶望的になったときに、浪人するくらいなら他学部も検討してみようと思ったことがありました。ところが、他学部を調べてみても、行きたいという気持ちに全然ならなかったんです。

その後に、医学部について調べてみると「やっぱり医学部に行きたい」と思ったんです。浪人しても絶対に医師になろうと覚悟しました。

高校時代の学力を教えてください

センター試験で力を出し切って得点率76%ですから、医学部を目指すには厳しい状況でした。偏差値も60に届くかどうかというレベルでしたし、先生にあまり質問するタイプでもなかったので、伸び悩んでしまいました。

ですから、浪人が決まり、医学部専門予備校である工藤塾に通うことになってからは、積極的に質問するようにしました。分からない問題を暗記で乗り切ろうとするのではなく、まずは理解することを優先したんです。その結果、難度の高い問題でも原理が分かっているので対応できるようになりました。

結果、昨年はセンター試験で約85%取りましたが、2次試験の対策が間に合いませんでした。辛かったのが、1浪目の浜松医科大学の2次試験で、試験中に「あ、これはだめだな」と思わざるを得なかったときです。その日は悔しくて、寝ようと思ってもなかなか寝付けませんでした。

そして今年の入試を迎えます

同級生がセンター試験や2次試験の直前に「明日は頑張れよ」と気にかけて連絡をくれたのはうれしかったですし、励みになりました。

それでも、センター試験は一発勝負なので、やはりものすごく緊張しました。9割以上を目標にしていたので、ミスは許されないという重圧もありました。

ただ、2次試験で点を取り切る力を身に付けていれば、センター試験でも9割前後は取れるだろうと考えていました。逆に言えば、センター試験で85%を切るようだったら、2次試験も厳しいだろうなと。

今年のセンター試験では90%を少し切ってしまいましたが、浜松医科大学の2次試験は1浪目とは比べ物にならないくらい解けたなと感じました。分からないところもありはしましたが、書けるところは確実に書くことができ、私としてはやり切ることができました。

英語の英作文も対策してきましたので、しっかりと書けましたし、数学も昨年のように解けなくて時間が余るということはなく、時間いっぱいまで粘り強く解くことができました。

過去問は、いろいろな大学の問題を解いてみることが大切だなと感じています。今思えば、自分でもよくやれたなと思うのですが、複数の国立大学の過去問を、10年分やり切りました。だからこそ、浜松医科大学の2次試験に食らいつくことができたんだと思います。

将来は何科を志望しているのでしょうか

大学で学んだり、いろいろな方たちと出会うことで変わる可能性はありますが、外科に進んで、臨床と研究を両方やれたらいいなと考えています。父が外科医ということもありますし、ドラマでも外科医が取り上げられやすいので、イメージを持ちやすいんです。

医学部を目指す人たちへメッセージをお願いします

まずは基礎が大事です。私は1浪目のときにセンター試験対策をみっちりやっており、基礎が固まっていたことが今年の合格に繋がりました。基礎を疎かにして難しい問題ばかりに手を出していると、本番では点が取れないのではないでしょうか。

国公立の医学部を目指すのであれば、センター試験の数学と理科は満点を目指さないといけない教科です。1つの教科が満点を取れるまでに力がつくと、他の科目にも良い影響を及ぼしてくれたように感じます。今年、物理の力がだいぶ伸びたのですが、それは化学のお陰だった気がするんです。根拠はありませんが(笑)。

センター試験で満点というのは、一つの分かりやすい指標なんです。満点を取れれば自信にもなりますし、取り組み方が間違っていないという判断材料にもなります。良い事ずくめなので、そういったアプローチでセンター試験を利用するのは、おすすめです。

そして、その上で、志望を高く持ってほしいです。私自身、上を目指すことで、「いろいろな問題を解けるようにならないと」とどん欲になることができました。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(Nくん)