静岡から医学部へ 〜河野 拓海くん(北里大学 合格)〜

河野 拓海くん(静岡聖光学院高校卒)
2021年度推薦入試で北里大学に合格

医師を目指したきっかけはなんでしょうか

小学校のときは映像系の監督になりたいなとも考えていました。でも、中2のときの職業体験で高齢者施設に行ったり、病院に行ったりしたんです。そして、自分がやりたい仕事はなんだろうと考え直した結果、人と向き合い、人を助けられる仕事に就きたいと思い、医師を志すようになりました。医師である両親の影響も大きかったと思います。

北里大学の指定校推薦を受験しようと思った理由はなんでしょうか

北里大学を志望したのは、チーム医療を学びたかったからなんです。チーム医療を実践的に学び、チームのリーダーをしっかりと務められる医師になることが目標なんです。誰かを助けるために、自分の能力を発揮するだけではなくて、周りの人の力も引き出すことができたらいいなと考えています。

今(※2020年12月)は毎日何をやっていますか

12月の半ばまで入学手続きをしていました。大学からの課題が届くのが1月中旬らしいので、1月中は学力を落とさないよう、通っている工藤塾の授業を継続して受ける予定です。物理選択だったので、生物の授業も受けています。教科書を読み込んで、知識を入れているところです。

中学から静岡聖光学院に通いました

男子校で気楽そうでしたし、中高一貫校なのも魅力でした。高校受験をしていると、大学受験の準備期間が短くなるじゃないですか。父も中高一貫の男子校に通っていて、「すごく良かったよ」と言っていたので、静岡聖光学院を選びました。

結果、のびのびとやらせてもらい、すごく満足しています。「◯◯をやれ」というのがなくて、放任主義というか、「好きなことをやっていいよ」という感じで、とても良かったです(笑)。ただ、勉強はしっかりやりました。定期テストや実力テストも、しっかりと準備して、一方では友達と遊んだりして、メリハリをつけた学校生活を送ることができました。充実していましたね。

6年間を過ごしたので、仲間とのきずなも深まりました。楽しかったです。ただ、男子校の生活に慣れていたので、工藤塾で2回目の面接練習に参加したのが私と女の子3人だったときは、すごく緊張しました。面接練習自体よりも、同級生の女の子が3人もいることに緊張しました(笑)。

医学部受験に向けて、どんな勉強をしてきましたか

気持ちを落ち込ませることなく、やり続けるということを自分の目標にしていました。医学部を目指すのであれば、受験準備を長期にわたってやっておいた方がいいことは知っていましたが、普段の勉強と同じように、どうやれば勉強の楽しみを見いだせるのかということは常に考えていました。解けたらうれしいですし、解けなかったら悔しいので、結局は学力を上げていくしかないんですけど(苦笑)。

他に工夫したことはありますか

夏休み中に過去問に取り組み、とりあえずどういう問題が出るのかを確認し、これを解くためには何をすればいいのかを考えるようにしました。なんでもかんでもやらなきゃと思うと、大変です。今やるべきことを明確にして、それをやったうえで、次は何をすべきなのかを常に考えるようにしていました。もちろん、計画通りに行くとは限りませんから、ときには開き直ることも大事だと思います(笑)。

辛かったことはありますか

勉強面では、医学部志望ということで、他学部とはまた内容が違うじゃないですか。難易度が高いので、先が見えないのは辛かったですね。他学部だと、ある程度偏差値が上がれば、模試の判定でB以上も取れますが、医学部は全然いい判定が取れないんです。どれだけやればいいんだと(苦笑)。

あと、受験勉強に時間を割くために、部活をやりませんでした。ですから、同級生たちが、部活の大会でどうだったこうだったという話で盛り上がっているときは、ちょっとうらやましかったですね。

本番には冷静に臨めましたか?

いえ、受験会場に行くのが初めてだったので、校舎に入って教室に着いた瞬間、頭が真っ白になりました。前日はドキドキするのかなと思いながら布団に入ったのですが、特に緊張することもなく就寝し、翌朝いつもと変わらず起きられたので、大丈夫そうだなと思ったんですが、自分でも驚きでした。

問題用紙が配られたときも、なんだか浮いているように感じて、「この紙に書いたことで合否が決まるのか」と思ったら、「受験って怖いんだな」と感じました。いやー、学力試験、緊張しましたね(苦笑)。

どう対処したのでしょうか

解ける問題をとりあえず先にやって、気持ちを落ち着かせようと思いました。見て、ちょっとでも「あれ?」と思った問題は飛ばして、絶対にできるという自信のある問題を先に解いていきました。そうやって気持ちを落ち着けてから最初に戻ると、解ける問題もあったので、うまく時間を使えたのかなと思います。自分で緊張をほぐすことができ、少しは成長できたのかなと思います。

学科試験が終わった後に、持参した温かいお茶を飲むとリラックスできました。気持ちを切り替えて、小論文はうまく書くことができました。ですから、面接には良い状態で臨むことができました。

面接に手応えがあったとか

集団面接は、質問されたことに対して、各受験性が答えるスピーチ型みたいな形式でした。工藤塾で2回目にした面接対策のような感じです。本当に対策しておいて良かったです。

驚いたのは、挙手制だったことです。最初から決まっていたというよりは、「じゃあ、挙手制にしますか?」みたいな感じで、その場で決めたようでした。他の受験生が手を挙げるそぶりがなかったので、積極性をPRした方がいいのかなと思い、最初に答えることにしました。最初に発言したことで、他の受験生の意見に惑わされず、自分の考えをはっきりと伝えられたと思うので、すごく大きかったです。

次の質問のときも、他の受験生が答えようとしなかったので、「また私からでもいいですか?」と小さく手を挙げたところ、「じゃあ、先程の逆の順番にしましょうか」と言われたので、まあ、そうだよなと(苦笑)。なので、最後に答えることになりました。コロナ禍でのトリアージに関する質問だったのですが、しっかりと答えられたと思います。

個人面接は2分くらいでした。父が外科医で救急救命もしていたのですが、面接官の方がまさに外科と救急救命を専門にしてらっしゃったんです。ほとんど世間話のような感じでしたが、こちらでもトリアージについて詳しく説明してくださいと言われ、焦りました。色順が答えられなくて、「色も言えたらいいよね」と言われたので、「そうですよね。後で確認しておきます」と答えました。

最終的に小論文と面接は、力を出し切れたと思います。集団面接は男子ばかり3人だったので、気持ち的には楽でした(笑)。

合格発表は3日後でした

発表までは、もう気が気じゃなかったです。大丈夫かなと半信半疑だったので、緊張していました。小論文と面接は手応えがありましたが、学科が不安でした。

発表当日は、本当は学校で、みんなの前で見たかったんです。不合格だったときに、友人がいてくれた方がいいと思ったんです。すると、学校が早く終わる日だったという・・・(苦笑)。

仕方がないので、家に帰って家族と一緒に見ました。iPadを前に、時間になって操作すると「表示しますか?」と出てきて、「うわー、このボタン押すの嫌だ」と思いました(笑)。それでも勇気を出してボタンを押し、「合格です」と出てきたときは、「うおー! やったー!」と、本当に飛び跳ねました。

受験勉強を振り返って

先が見えなくて不安になったときに、それをちゃんと打ち明けることが必要なのかなと思います。問題ができなかったときや、模試で結果が出なかったときに、1人で考え込んでしまうことがあったんです。

そういうときに、親でも、先生でも、友人でもいいと思うのですが、誰かに今悩んでいることを伝えるべきだと思います。解決しなくてもいいので、うなずいてもらうだけでもいいので、抱えているものを出して、余裕を持たないと、押しつぶされてしまうと思います。1人で抱えたままだと、何をやっていても頭をよぎると思うんです。

私も打ち明けることができなかったわけではないですが、1人で抱えてしまうこともありました。言うのが恥ずかしいという思いもありますし、何かを言われたくないという気持ちもありました。気持ちを理解してもらえるかどうか分からなかったんです。でも、一言でも打ち明けるべきだったかなと思います。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(河野 拓海くん)