静岡から医学部へ 〜Sさん(名古屋市立大学 合格)〜

Sさん(静岡サレジオ高校卒)
2021年度推薦入試で名古屋市立大学に合格

小学生の時から医師になりたいと思っていたとか

両親が眼科医として働く姿を、ずっと見てきました。特に大きなきっかけとなったのは、父の患者さんの言葉です。「お父さんに診てもらって、本当に目がよく見えるようになったよ。今までとはぜんぜん違う生活ができるようになったよ」という感謝の気持ちを、私に伝えてくれたんです。そのときに、「私もそういうお医者さんになる」と、両親に言ったようなんです。幼かったので、あまり記憶にはないのですが(苦笑)。ですから、小さい頃から医師になりたいと言い続けていました。

私は、理想の医師像が両親なんです。医師にとって大切なことはたくさんあると思うのですが、私が何より大切にしたいのは、患者さんに対して常に寄り添う姿勢です。患者さんが辛いと感じていることや、今の気持ちを、丁寧に聞いて、少しでも信頼してもらえるよう、コミュニケーション能力を高めていきたいです。

他の職業は考えなかったのでしょうか?

両親が「医学部じゃなくても、好きな道に進んでいいよ」と言ってくれていたので、高1のときに考えてみたことがありました。初めて受けた模試の成績が悪かったこともあって、私の学力じゃダメなんじゃないかと弱気になっていました。

高校の担任の先生とも話をして、他学部の情報を教えてもらいました。母にもその場で電話したりしました。「もっと、しっかりと考えたら」と言われましたが(苦笑)。それで、じっくりと落ち着いて考えてみたのですが、やっぱり、最終的には医師になりたいと思えました。

静岡サレジオに小学校から高校まで通いました

中学に進学するときには、他の中学も少し検討したのですが、最終的にはそのまま静岡サレジオ中学に進学することに決めました。静岡サレジオは、学校の雰囲気がすごく温かいんです。先生方も含めて、なんというか、穏やかな空気が好きでした。

静岡サレジオのエグゼコース※を選んだ理由はなんでしょうか

※医学部をはじめとした難関大学進学を目指すコース

難関大学を目指す生徒たちが行くコースですし、実際、勉強を頑張る生徒ばかりでした。医学部を目指す人もクラスに5人いました。そういう人たちと一緒に高め合えるかなと考え、選びました。

小学校からのメンバーは気心が知れていましたし、高校から入ってきた人たちも、すごく良い人たちでした。高3になってからは、みんな受験勉強に集中しているので、自分のペースで勉強することができました。すごく良い環境で勉強できたなと感じています。

結果、医学部志望の5人は、全員が医学部に合格することができました。エグゼコースの1学年上の先輩たちの合格実績がすごすぎて、今年の私達は結構プレッシャーに感じていたので、結果を出せて良かったです。

勉強に本腰を入れたのは、いつ頃からでしょうか

本気で勉強しないといけないということは、高1の頃から感じていました。お姉さんが医学部に行った友人がいるのですが、その友人が早いうちから受験モードになり、かなり勉強をしていました。その友人がいたから、「私もやらなきゃ」と思うことができました。

でも、気持ちだけ焦って、うまくできないというか、行動が伴わない部分もありました。ですから、気持ち的には高1から焦っていたのですが、本当の意味で勉強をやり出したのは、高3の夏休みからだったと思います。AO入試を受けることを決めて、いろいろと調べていくうちに「この大学に行きたい」という気持ちが強くなり、気合が入りました。

勉強で工夫したことはありますか

英語は得意だったので、なるべく時間をかけたくありませんでした。ですから、工藤塾の行き帰りの時間に、電車の中で長文を読む練習をしていました。隙間時間を使って、学力を落とさないようにしていました。

夏休みの後半から入試までは、ほとんどの時間を理数系の勉強に費やしました。特に、物理と化学です。数学はある程度演習してきたのですが、物理と化学は演習量が圧倒的に不足していたんです。問題集を1冊決めて、過去問とその問題集に徹底的に取り組んでいました。化学は『化学の新演習』、物理は『名門の森』を使いました。

私の受検戦略では、藤田医科大学のAO入試で受かることが第1目標でした。私立の合格を決めておいて、早めに国公立に集中するという状況にしておきたかったんです。そうすれば、2次試験向けの勉強に割ける時間を増やせると考えました。一応、プラン通りにできました。

藤田医科大学のAO入試本番の状況を教えてください

面接は、工藤塾で対策をしており、集団面接はこんな感じなんだということがつかめていたので、そんなに緊張せずに臨むことができました。工藤塾の面接が難しかった分、本番ではそのときの感覚を思い出せて、安心して答えることができました。

学科では、数学は大問が3つあったのですが、大問2と3がすごく難しくて、これは解法を思いつけないなと感じました。そこで、大問2と3は解き終わらなかったのですが、大問1に戻って、解けないといけない問題を、しっかりと解き切ることにしました。

英語は難しいとは思わなかったのですが、解答速報を見ると、文法問題をチラホラ間違えていました(苦笑)。でも、長文は結構合っていたので、力を出し切れたんじゃないかなと思います。

名古屋市立大学の推薦入試はどうでしたか

2次試験は課題論述と個人面接でした。課題論述は時間との勝負でした。今年は、国語と英語と数学、地学が出題されました。まさか地学が出るとは思っておらず、頭が真っ白になりました。でも、最初は何も分からなかったのですが、図を書いて考えているうちに、「あっ、これかな」という答えが見つかりました。地学のもう1問も、手を動かしているうちに分かるようになりました。

次の英語は、問題は難しくなかったのですが、地学でパニックになっていたため、全然解けなかったんです。そこで、とりあえず全部の問題に目を通し、順に手を動かしているうちに、だんだん落ち着いてきて、問題が解けるようになりました。

個人面接は少し失敗してしまいました。高校でみっちりと練習したのですが、そのときに「なわとびのエピソードは絶対に言った方がいいよ」と言われていて、なわとびのことばかり考えていたため、「人間性を高めるために、何をやってきましたか」という質問に、間違えて「なわとびです」と答えてしまったんです(苦笑)。

でも、論理性があるかどうかということが見られていると思ったので、その理由を「失敗しても、あきらめずに、コツコツ続ける粘り強さを身に付けられました」と、なんとか答えることができました。

なわとびのエピソードとは、何でしょうか?

中3のときに、弓道部の先生に体幹が弱いと言われて、なわとびを始めたんです。最初は1分くらいしか跳べなかったんですけど、そこから毎日続けて、今は40分間6000回くらい跳べるようになりました。ですから、継続性という意味でも、体力をつけたという意味でも、いいんじゃないかとなったんです。

こうしておけばよかったという後悔はありますか

自分ではやっているつもりでも、意外と基礎が入っていないということがありました。高1のときに、もっと物理と化学の理解に力を入れていれば、直前に焦らなくても済んだのかなと思います。

今思うとですが、苦手だなと思う部分から、目をそらしていたところがあると思います。そこから逃げずに、分からないのであれば、参考書をしっかりと読み込んで、それでも分からなければ、すぐに先生に質問しておけば良かったです。高1のときの自分には、「分からない分野は、徹底的につぶしなさい」と言いたいですね(苦笑)。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(Sさん)