静岡から医学部へ 〜Aくん(順天堂大学 合格)〜

Aくん
2021年度入試で順天堂大学に合格

医師になろうと思ったきっかけはなんでしょうか

小さい頃から、医師か薬剤師になりたいと考えていました。ただ、高校に進学した当初は、医学部はハードルが高いから無理なんじゃないかと思ったりもしました。

そこで、国公立の大学では、どんなことを学んでいるんだろうと、高1の夏休みに東京大学のオープンキャンパスに行ったんです。すると、医学部以外の学部に、全然興味が持てなかったんです。1時間もしないうちに帰ってしまいました。

帰り道に東京医科歯科大学があり、オープンキャンパスはやっていなかったのですが、受付で聞いてみたら見学できたんです。そこでは、すごく興味をかきたてられました。1周したときには、「やっぱり医学を学びたい」と感じました。

将来は何科を希望しているのでしょうか

困っている人が多いところに、積極的に関わっていけるような医師になりたいと考えています。ただ単に自分がやりたい科に進むのではなく、なり手が少ない科はどこかとか、その中でも社会的に求められている科はどれかとか、そういったことをしっかりと調べて、進路を決めようと考えています。たとえ、自分が興味を持っても、それが社会的に必要だと思えなければ、その道には進まないと思います。

現在考えているのは、外科系か総合診療です。医学部の面接に向けて勉強しているときに、ターミナルケア(終末期医療)や高齢者医療が注目されていることを知りました。病気を治すだけでなく、最期までをどう幸せに過ごすかの設計に携わることができて、特別な職業なんだと改めて感じました。求められている役割ですし、そういった場面に触れられる職業というのはあまり無いので、すごく魅力的に感じています。

ただ、最終的には、大学で学びながら、進路を決めたいと考えています。

得意科目、苦手科目を教えてください

中学受験をしたのですが、そのときから算数はすごく面白いなと思いながら勉強していました。中学に入ってからも数学は好きで、式でも書いた瞬間に誰が見ても分かるというか、定義がはっきりしていますよね。それを書き連ねていって、理屈をつなげていった先に、分かりやすい解答となって出てくるのが性に合っていました。頭が整理されるような感覚がありました。

英語は小学校低学年の頃からやっており、だんだんと得意になっていきました。得意になったきっかけは洋楽です。歌詞を読めるとか、洋画のタイトルが読めるとか、そういうところから面白いなと感じていました。それでもうちょっと勉強したいなと思い、小学校、中学校の間は英検を受けていました。学問的な興味というよりは、生活の中にありふれている英語を、「あ、これ見たことある」と思えるのが面白かったです。

洋楽は何を聞いていたのでしょうか

小学校のときはビートルズです。歌詞が分かりやすかったので(笑)。両親も1960年代のオールディーズが好きで、車の中でよく聴いていました。早口じゃないので、結構聴きやすいんです。歌詞も、小学生が少し勉強すれば読めるようなものだったので、とっかかりやすかったですね。

全体として、文系科目が苦手でした

英語は得意だと思っていたのですが、高2のときのセンター試験同日模試で、50点ちょっとしか取れませんでした。でも、工藤塾の英語の先生は「英語の能力はあるよ」と評価してくださっていて、得点力がないんだと分かりました。読解力は結構ついていたのですが、得点力がない状況でした。

得点力がないというのは、何が原因だったのでしょうか

高2のときと高3のときとを比べてみると、英語を読むスピードが圧倒的に速くなりました。共通テストのレベルには、高2のときに達していたと思うのですが、時間が間に合っていませんでした。それが、高3の年末には高速で読めるようになりました。

ただ、国語は時間がないと全部だめになってしまうように感じていました。この問題は飛ばして、こっちの問題をじっくり考えれば必ず正解するかというと、そういうこともありません。

本番では、現代文を各20分ずつで解くことができたのですが、古文は時間が足りませんでした。過去問ではごく稀に9割いくこともありましたが、時間が足りないときも多々ありました。ですから、安定して点数を取ることはできないと分かっていました。

地理も難しい内容でした

地理に関しては、正直、自分の能力が足りなかったかなと思います。学校が、過去問をやっていて、演習量を増やしていけば、例年はみんなうまくいくよということを言われていたのですが、それに乗ることができませんでした。結局、知識がつかないのか、あまりできるようになりませんでした。できなかった科目なので、あまり分析もできないのですが(苦笑)。

途中で、目標を国立大学から順天堂大学に変更しました

高3の12月に、順天堂大学のカリキュラムやいろいろなことについて調べていくうちに、行きたいと思うようになりました。紹介動画を見てみると、国家試験の合格率も高いですし、留年率も低いんです。国家試験に向けての勉強がしやすい環境なのかなと思いました。

それで、国立大学よりも志望順位が上になったんです。ですから、順天堂大学に合格したら、国公立の前期試験は受けないと決めていました。

勉強で工夫したことを教えてください

1番大事にしていたのは、1日1つでもいいので、できることを作ることです。英語であれば、高2のときは、文のテーマをつかめるようにすることを目標にして、それができれば、英語はその日は終了にしていました。

数学は、『チャート式』が分かりやすいのですが、ページごとに「これができるようになる」というものがあるので、これとこれとこれが今日できたらOKとしていました。問題数とか時間ではなく、できたら終了という感じで勉強していました。

このテクニックを使ったらできるとか、◯時間やったらできる、というのは、私はあまり納得感がありませんでした。単純に1日1つできることを作れば、1年間では365もできることが増えます。365個の武器がそろうイメージです。全科目でできることを増やしていくという勉強をしてきました。

その勉強方法であれば、受験中も毎日できることが増えていきますね

そうなんです。しかも、数学は『チャート式』だけで完結するんです。いろいろな教材がありますが、問題が書いてあるだけで、なんの力が得られるのかが、いまいち分からないものもありました。自分で探すのも勉強の一つかもしれませんが、それでは効率が悪いなと思って、今の勉強法に落ち着きました。

物理と化学も『重要問題集』を中心に勉強しました。重要問題集も「これができるようになる」とテーマが書いてあるので、問題を全部解かなくても、分かるようになればそれでいいという感じで勉強していました。

ただ、勉強を始めた当初は、理科の内容が全然分からず、いくら勉強してもできることが増えないような状況でした。

ですから、そこは医学部専門予備校である工藤塾に頼りました。「この単元は、これとこれとこれができればいいんだ」ということが授業の中で分かるので、それを持ち帰って、次の授業までに全部できるようにするという勉強ができました。

試験当日は緊張しましたか

どの大学でも、筆記は全然緊張しなかったです。対策してきたものに対しては、まったく緊張しない性格なんです。特に、順天堂大学は第1志望で、しっかりと仕上げていったので、ある程度得点できるという自信がありました。ただ、受験生が多いことにはびっくりしました(笑)。

無事に1次試験を突破し、2次試験に臨みます

2次は結構緊張しました。一般A方式と地域枠の両方で1次試験合格をもらえたのですが、面接では地域枠関連の質問ばかりでした。「これは受かるとしたら地域枠なのかな」と感じました。私のキャラクターについても聞いてくれたので、冷静に答えられたと思います。

ただ、「欠席日数が多いですね。何か長期の入院とかされましたか」という質問には困りました。受験勉強を優先していただけなので、正直に言っていいのかどうか迷いました。

勉強を始めるのに良い時期はいつだと思いますか

それはもう、絶対に早い方がいいです。私のように高2から始めるのであれば、時間をどれだけ効率的に使うかを考え抜く必要があると思います。

でも、時間の効率的な使い方を、早い時期に確立できれば、部活と両立させるとか、好きなことをやる時間を確保するとか、いろいろな選択肢が生まれます。中学生のうちに時間の使い方を効率化できれば、勉強以外のことに時間を割く余裕も出てくるのではないでしょうか。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(Aくん)