国公立大学医学部 2019年度入試の主な変更点
名古屋市立大学で新たに2段階選抜を実施
(9月21日更新)
国公立医学部の一般試験では通常、センターと個別、計2回の学科試験が課されます。そこで気を付けたいのが、2段階選抜です。2段階選抜とは、センター試験の結果によって、個別試験の受験者を選抜する仕組みのことです。センター(第1段階選抜)と個別(第2段階選抜)で2回選抜することから、2段階選抜と呼ばれています。志願者数が入学定員を大幅に上回ると、個別学力検査等を適切に実施することが難しくなることが理由です。
多くの大学では「○倍以上で2段階選抜を実施」と定められていますが、「センターで○点以上」のように、あらかじめ基準点が設けられている場合もあります。浜松医科大学では、2段階選抜について、以下のように定めています。
入学志願者が前期日程の募集人員(75名)の4倍、後期日程の募集人員(15名)の10倍を超えた場合は、大学入試センター試験(医学科が指定する教科・科目〔5教科7科目950点満点〕)の成績により第1段階選抜を行うことがあります。第1段階選抜を実施した場合は、その合格者に対して第2段階選抜として個別学力検査等を実施します。
2019年度は、名古屋市立大学(前期)で新たに2段階選抜が実施されるほか、筑波大学と広島大学の実施倍率が引き下げられ、2次試験に挑戦する枠は狭くなっています。国公立医学部を目指す場合は、センターで高得点を取れる力を身に付けることが大前提と言えます。
また、注目点として、浜松医科大学では前期のセンター試験の合計点が950点→450点と大幅に縮小され、2次試験(700点)の比率が60.9%にまで高まりました。また、香川大学は、2019年度入試より、推薦Ⅱの出願資格が、「現役生のみ」から「1浪生まで可」に変更されました。
以下に2018年度入試の主な変更点をまとめましたので、参考にしてみてください。
※「セ」は「センター試験」
※内容は変更・修正される可能性があるため、必ず各大学の募集要項等でご確認ください
国公立
大学 | 方式 | 変更点 | 2019 | 2018 |
弘前 | 前期 | セ配点 | 理科300点 | 理科200点 |
東北 | 前期 | 募集人員 | 105人 | 110人 |
AOⅢ期 | 募集人員 | 12人 | 10人 | |
国際バカロレア | 日程 | 出願10月、試験11月 | 出願1月、試験2月 | |
選抜方式 | 1次(書類、筆記)、2次(面接) | 書類、小論、面接 | ||
募集人員 | 3人(帰国生、留学生入試との合計) | 若干名 | ||
山形 | 前期 | 2次配点 | 面接100 | 面接は得点なし |
福島県立医科 | 推薦Ⅱ | 出願資格 | ー | 調査書の学習成績概評がⒶであること |
筑波 | 前期 | 2次配点 | 英、数、理2、適性検査(1)(2)500点 ※適性検査(2)は個別面接 |
英、数、理2、面接200点 |
2段階選抜 | 約2.5倍 | 約5倍 | ||
募集人員 | 58人 | 63人 | ||
地域枠(茨城県) | 募集人員 | 4人 | 9人 | |
地域枠推薦(茨城県) | 募集人員 | 22人 | 17人 | |
国際バカロレア | 募集人員 | 5人 | 若干名 | |
東京 | 前期 | 2段階選抜 | 約3.5倍 | 約4倍 |
横浜市立 | 前期 | 募集人員 | 80人 | 85人 |
国際バカロレア | 選抜方式 | 2人 | ー | |
特別推薦 | 募集人員 | 8人 | 5人 | |
出願資格 | 神奈川県内の全ての高校 | 神奈川県内の指定校 | ||
新潟 | 前期 | 配点 | セ750点、2次1200点 | セ750点、2次450点 |
2段階選抜 | 4倍 | ー | ||
浜松医科 | 前期 | 配点 | セ450点、2次700点 | セ950点、2次750点 |
後期 | 配点 | セ900点 | セ950点 | |
名古屋 | 後期 | 2段階選抜 | セ900点中720点以上 | セ900点中720点以上かつ8倍 |
名古屋市立 | 前期 | 2段階選抜 | セ500点満点中375点以上 | 実施しない |
大阪 | 前期 | 募集人員 | 95人 | 100人 |
世界適塾推薦 | 募集人員 | 5人 | 若干名 | |
大阪市立 | 前期 | 募集人員 | 80人(一般75、大阪府指定医療5) | 95人(一般80、地域医療10、大阪府指定医療5) |
推薦(地域医療枠) | 選抜方式 | 10人 | ー | |
AO | 選抜方式 | 5人 | ー | |
広島 | 前期 | 募集人員 | 90人 | 75人 |
2段階選抜 | 7倍 | 8倍 | ||
英外部試験 | 条件を満たすとセ英を満点とみなす | ー | ||
後期 | 募集人員 | 5人 | 20人 | |
英外部試験 | 条件を満たすとセ英を満点とみなす | ー | ||
徳島 | 前期 | 募集人員 | 64人 | 72人 |
AO | 選抜方式 | 8人 | ー | |
香川 | 推薦Ⅱ | 出願資格 | 1浪可 | 現役生のみ |
前期(地域医療推進枠) | 出願資格 | 香川県内の高校 | 四国及び岡山県内の高校 | |
愛媛 | 後期 | 2次科目 | 総合問題、面接 | 小論、面接 |
推薦 | 2次科目 | 総合問題、面接 | 小論、面接 | |
九州 | 前期 | 選抜方式 | セで理科2科目選択 | セで生物必須+理1科目選択 |
熊本 | 前期 | 選抜方式 | 地歴公民は世A、日A、地理Aを除いて1科目選択 | 地歴公民は全科目から選択可 |
鹿児島 | 一般(前期・後期) | 選抜方式 | 面接の評価が著しく低い場合(10点以下)には、総合得点にかかわらず不合格とすることがある | 面接の評価が著しく低い場合(30点以下)には、総合得点にかかわらず不合格とすることがある |