英語の資格を計画的に取ろう

センター英語の満点が確定する医学部も

現行のセンター試験は2019年度(2020年1月実施)で廃止され、2020年度(2021年1月実施)から、新たに「大学入学共通テスト」が始まります。具体的な変更点としては、国語(古漢除く)と数学(数Ⅰ)で記述式が導入されるほか、英語では4技能(読む、聞く、話す、書く)が評価されることになります。

注目なのは、英語です。4技能を評価するために、民間の資格・検定試験を活用すると文部科学省が発表しました。大学の判断によりますが、民間の資格・検定試験の結果をそのまま入試の得点に換算するところが増えると予想されます。

医学部でも、民間の資格・検定試験を出願要件や「みなし得点」として得点換算する大学が出てきました。例えば、順天堂大は一般B方式(定員10人)の出願資格を、以下のように定めています。

・TOEFL iBT … 55点以上
・IELTS … 5.5以上
・英検 … 2級 または 準1級 または 1級
・TEAP4技能 … 226点以上
・TEAP CBT … 420点以上
・GTEC CBT … 1000点以上

さらに、資格・得点によって英語の成績に最高25点が加算されます。

順天堂大学の加点(一般B方式)

資格 25点 20点 15点 5点
TOEFLiBT 93~120 80~92 67~79 55~66
IELTS 7.0~9.0 6.5 6 5.5
英検 1級 準1級 2級
TEAP4技能 334~400 226~333
TEAPCBT 600~800 420~595
GTECCBT 1250~1400 1000~1249

また、福岡大学医学部のセンター利用入試Ⅰ期(定員10人)では、資格・得点を、そのままセンター試験英語の得点とする「みなし得点」を採用しています。しかも、みなし得点は8割もしくは満点です。

福岡大学のみなし得点(セ利用Ⅰ期)

資格 満点 8割
ケンブリッジ英検 160 140
英検 準1級 2級
GTEC CBT 1250 1000
IELTS(Academic) 5.5 4
TEAP(LRSW) 334 226
TOEFL iBT 72 42
TOEFL Junior Comprehensive 341 322
TOEIC L&W/TOEIC S&W 1095
(L&R 785~、S&W 310~)
790
(L&R 550~、S&W 240~)

医学部受験では、まずは英語と数学の学力を高めることが大切ですが、英語に関しては上記資格の取得も合わせて検討するようにしましょう。国公立医学部でも、東京大学、京都大学などで、英語の資格・成績が推薦入試の出願要件となっています。特に今の中3生以下は、「大学入学共通テスト」を受ける学年です。英語の得点を確定させられる医学部が増える可能性もありますので、資格・検定試験に挑戦しておいたほうがよさそうです。

ただし、「大学入学共通テスト」では、高校3年生以降の4〜12月に受検した資格・検定試験の結果が採用されるため、計画的に目指す資格・得点を取る必要があります。さらに、現時点ではどの民間資格・検定試験が対象となるのかは確定していません。ご注意ください。