静岡から医学部へ 〜岩橋 健太郎くん(岩手医科大学 合格)〜

岩橋 健太郎くん
藤枝明誠高校卒。2019年度入試で岩手医科大学に合格

「好きなことをやれ」
と言い続けてくれた

高校時代の学力を教えてください

化学だけは得意でした。高校の先生が面白い先生で、途中から好きになったんです。ですから、化学だけは勉強していました。

他の科目は、例えばセンター試験の英語で50点とか、そんなレベルです。勉強していなかったので、単語も全然覚えていませんでした。特に英語は、苦手科目の筆頭だったので、1浪目は中学英語からやり直しました。3年かけて、センター試験で8割以上取れるようになりました。

浪人生活は3年に及びました

浪人生活が本当に嫌で、毎年「今年で終わらせる」と思っていました。ただ、冷静に考えると、2年かかると想定して最初からやっていれば、もう少し違った形になったかなと思います。2浪目で合格できるかどうかは分かりませんが、3浪目にもうちょっと余裕を持って合格できたような気がします。1年で合格しようとすると、どうしても強引な部分が出てきてしまうので。

2浪目も1次合格はありました

なんとか1校引っかかったという感じでした。自分の学力を冷静に把握して、2年かかりそうなら2年計画を立てた方が、無理に1年で合格しようとするより、結果的に、早く合格できると思います。気持ち的に受け入れるのは大変ですが。

勉強方法で工夫したことはありますか?

浪人1年目から医学部専門予備校である工藤塾に通うことにしたのですが、英語に関しては、すべて先生の言うことを聞くようにしていました。私は基礎も何もなかったので、先生に言われたことを信じてやり切ろうと思っていました。

他の教科は先生にアドバイスをもらいながら、自分に合ったやり方を取り入れていました。

そして迎えた2019年度入試。岩手医科大学入試の手応えはどうでしたか?

対策をしているときは、問題の傾向がスタンダードな大学だなと感じていました。あまり癖が強くなく、標準的な問題が多いので、比較的対策の取りやすい大学です。2浪以上の合格者が多い大学でもあるので、受験することは決めていて、入念に対策しました。

ただ、入試本番では、数学が取り切れなかったというイメージがすごく残っています。できなかった問題を今でも覚えているくらいなので、手応えがすごくあったというわけではありませんでした。

理科に関しては本当に記憶が無いんですが、7割〜8割は取れていたんじゃないかなと思います。英語は難化していたような気がしますが、数学よりはできました。

ずっと対策してきたので、1次試験を突破したときは、本当に嬉しかったです。

面接ではどんな質問をされましたか?

一番最初が自己PRでした。体力があることや、3浪しているので忍耐力、意思を貫く強さがあることなどを伝えました。面接官の方もうなずいてくれ、全体的に和やかな面接でした。

静岡の医師不足については、突っ込んだ質問もありましたが、しっかりと自分の考えを伝えることができました。私自身、父や母から静岡の医療過疎について話を聞いており、だからこそ、地域医療に強い岩手医科大学を志望したんです。岩手も医師不足の深刻度が高いため、岩手で学ぶことは多いと思ったんです。

家族のことも質問されました。兄と弟がいることを伝えると、興味を持ってもらえました。「お兄さんは今、何をしているのか」など、主に兄に対する質問がいくつかありました。なぜ兄のことばかり質問されたのか、理由は不明です(笑)。

家族も応援してくれていました

はい。本当に感謝しています。ただ、実は、両親から医師になれと言われたことは一度もありません。母は「好きなことをやれ」と言い続けてくれました。高校時代に勉強していなくても、「全ての結果を自分で背負うことになるということは覚えておきなさい。ただ、やりたいことが見つかって、結局は勉強で苦労することになっても、応援するし、その環境は用意するから」と。

父からも進路について言われたことはありませんでしたが、実は医師になってほしいと思っていたと、後から知りました。知らずに挑戦していたとは言え、期待に応えることができて良かったです。

将来は、まだ漠然とですが、父や母のように、全身管理ができる医師になりたいと考えています。救急のときにも役立つと思うので、外科を目指す予定です

これから医学部を目指す人にエールをお願いします

スタート時の学力がどんなに低くても、根性さえあれば合格は可能です。私も化学以外はかなり低い位置からのスタートでしたが、粘り強く勉強し続けることで、医学部も受かると実感しています。もちろん、予備校などのお金はかかってしまうので、親の協力も必要ですが、環境が整っているのであれば、後は自分の気持ち次第です。努力し、戦略的に受験すれば、不可能ではありません。

医学部と聞いて「難関だからとても無理」と考えるのではなく、医師になりたい気持ちがあって、勉強をやり抜く覚悟があるのであれば、挑戦してみてもいいのではないでしょうか。

受験を通して、科目としては英語が一番重要だと感じています。配点の高い大学も多いですし、学力がつけば、安定して得点しやすい科目でもあります。何から勉強しようかと迷うのだったら、まずは英語から始めるのがお勧めです。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(岩橋 健太郎くん)