静岡から医学部へ 〜Mさん(富山大学 合格)〜

Mさん(静岡サレジオ高校卒)
2021年度入試で富山大学に合格

本格的に受験勉強を始めたのはいつでしょうか

部活を最後までやっていたので、本当に受験勉強と言えるほど勉強できたのは、高3の5月からです。

得意科目、不得意科目を教えてください

英語は小学生の頃から習っていて、得意でした。静岡サレジオ小学校にはネイティブの先生方がいらっしゃるので、英語に触れることができる環境だったせいか、耳が良い方だと思うんです。単語を覚えるときも、目だと覚えられないのですが、耳からだと覚えられるんです。

苦手科目は数学です。小学校の時の算数は得意で、数学も好きなのですが、計算ミスが多く、点につながらないんです。それで、苦手意識みたいなものがありました。解答が見えてくると、気持ちが急いでしまうんです。あとは、確率が苦手でした。他の分野と比べて、考え方がなかなか理解できないところがありました。

まずは、藤田医科大学のAO入試に挑戦しました

大学まで行って試験を受けるのが初めてだったので、周りの人はやたらとできそうに見えますし、緊張しました。ただ、席は最前列だったので、解いているときは、あまり他の人を気にせずに済みました。前に人がいて、すらすら進めていたら、もっと焦っていたと思います。

学科は想定していたよりも難しかったです。傾向も変わっていました。手応えは皆無です(苦笑)。特に数学は、書けない問題もあったので、他の問題もミスしているかもしれないと考えると、これはダメかもしれないと思いました。

英語が命綱で、数学の分をカバーしないとと考えていたのですが、あまりできなくて・・・。長文が全然はまらなかったんです。たまにそういったことがあるのは仕方がないと思うのですが、それにしても内容が分からないなと(苦笑)。

学校の先生にも「ダメでした」と言っていたくらいなので、1次合格はとても驚きました。本来は落ちていたはずなのに、合格できたのはラッキーなんだから、どうにでもなれじゃないですけど(笑)、面接はワクワクする気持ちも感じながら受けることができました。

面接では何を聞かれましたか

「こういう状況だったら、あなたはどうしますか」というパターンの質問が多かったです。一つ答えを言ったら、「じゃあ、こういう状況だったら?」と更に質問されることは分かっていたんですけど、本番だと「とりあえず答えないと」と焦ってしまいました。終わってから考えると、幼稚な言い方をしてしまったところもありました。

そして合格発表を迎えます

家でスマホを前にぐずぐずして、遅い時間になってから嫌々見ると合格していて、「え・・・」となりました。

次に、共通テストを迎えます。結果は、どうとらえていますか

できなかったなと感じています。すごく悔しかったです。数ⅠAでは案の定というか、計算ミスをしてしまいました。

化学では、最初に全体をパッと見たときには気付かなかったのですが、思った以上にボリュームがあり、時間配分を間違えました。時間のかかりそうな計算問題が3問あって、いったん飛ばして次の問題を解いていったのですが、戻る時間が無くなってしまいました。問題を読み間違えるというミスが怖かったので、時間をかけてしまいました。

倫理・政経を選択しました

地理には興味が持てず、点も取れなかったので、たまたま選んだ気がします(笑)。倫理・政経は最後まで苦手で、予想問題をやっても一番点が取れませんでした。倫理にはそこまで抵抗感はなかったのですが、政経に手こずりました。高3の12月から本格的に勉強を始めたので、もうちょっと早くから勉強しておけば良かったと後悔しました。

前期で富山大学を受験しましたが、2次に向けてはどんな勉強をしましたか

過去問を5年分くらい解いたのですが、思った以上に得点できました。後は、基本的な問題集をひたすらやっていました。物理と化学であれば『重要問題集』、数学は『1対1対応の演習』の数Ⅲだけをやっていました。

2次試験本番はどうでしたか

全然できなかったです・・・。英語は、時間との勝負になるだろうなと予想はしていたのですが、案の定、時間が足りませんでした。問題の形式が、日本語での解答から英語での解答に変わっていた分、若干重たく感じました。

過去問では、話の流れとしては理解できて、細かい説明になったときに、臓器の名前など、けっこう知らない単語が出てくるという感じだったのですが、今回は医療系の話ではなく科学系の話でした。医療系でしたら、たとえば身体の仕組みの話だったら予想がつくのですが、研究の話だと予測もつかないですし、中心となる言葉の理解が微妙なところもありました。

長文は2つあり、大問1はかなり長い文章でした。この大問1を8割くらい解いているところで、ふと時計を見たら、試験時間90分のうち60分を使っていました。大問1を50分、大問2を40分でいきたかったのに、もう60分も使っていて、しかもまだ途中という状況でした。時間を意識していたつもりだったのですが、気付いたら・・・という感じです。

大問2はそんなに長くない文章を読み、本文の内容を踏まえてエッセイを書きなさいというものでした。エッセイを書くことには抵抗がないので、かなり急いで書き上げ、なんとか時間内に収めたという感じです。本当にギリギリでした。

数学は、過去問をやった感触で、完答は無理なので、3分の2は絶対取れるにしようと考えていました。大問が3つなので、2問は完答しようと。1問はできなくても、他でカバーできるくらいの余裕があると分かっていたので、あまり気負わないようにしようと思っていました。

でも、実際に完答できたのは1問だけで、後の2問は完答できませんでした。できなかった2問のうち1問は、けっこう最初の方から怪しいです。もう1問は、順調に解いていったのですが、最後の問題を解いたら、不等式の証明が逆になっていました。最後が違うとこれは全部違うということになるぞと思い、焦りました。見直しても違うところが見つからず、仕方がないのでそのまま提出しました。

2次試験の理科はどうでしたか

過去問を解いたときには、全部答えを書いた上で間違っている問題があるという感じでしたが、本番では物理も化学も完答できない問題がありました。

物理では、解けない問題でも何も書かないのはまずいなと思い、考え方としてはこうなるということを書いていったんですけど、消えてくれないといけない文字が残って、「ん?」となりました(苦笑)。ただ、計算は間違っていなかったので、そうなると考え方が違うということになってしまいます。堂々巡りを繰り返して、最終的にその問題はあきらめました。

化学は、有機の構造決定をした理由を日本語で述べよという問題がありました。その構造決定が最後、1つ定まらなくて、そこが定まらないから理由も何もないという状況になってしまいました。2択まで絞ったのですが決めきれず、仕方がないので1つを選び、選んだ根拠は書かずに提出しました。

受験勉強を振り返って、何をしておけば良かったと思いますか

もっと早い時期に、入試問題に触れておくべきだったと思います。高3の夏休みから国立の2次の過去問をやっていたのですが、その頃には理科で終わっていない分野があったので、理科には取り組めないんです。ですから、先取りで勉強しておけば良かったと思います。学校で全範囲が終わってから過去問に取りかかると、解く分量がどうしても少なくなってしまいますから。

分かりやすいのが政経です。学校のテストもあるのでけっこう解いたりしていたのですが、問題集と共通テストでは出題形式が違います。問題集は分野ごとに区切られている分、そのまま覚えてしまっているところがあって、実際のテストでごちゃまぜにされて出題されると、「ん?」となるところがありました。ですから、問題集よりも、共通テストや2次試験の出題形式に慣れるための演習をする時間を取っておくべきだったなと思います。

数学でも、問題集にこの範囲でこの問題とあったら、その考え方を使うということが分かってしまっている状態です。問題を解き始めても、ある程度想像がついていて、後は計算するだけという状況になってしまいます。でも、実際の試験だとそうはいきません。

富山大学の面接には100点の配点がありますが、どんな面接でしたか

4人受験生がおり、個別に質問されていく形式でした。その後、ディスカッションするという二部構成になっています。個別面接では、私が参加した長崎平和大使のプログラムについてや、高校で何をしていたかといった質問に加えて、事前に提出した書類に、認知症プロジェクトに参加したいということを書いていたので、興味をもったきっかけを聞かれました。

ディスカッションは「現代社会にある課題のうち、解決しなければならないこと」がテーマでした。解決策まで意見を出してくださいと言われました。割と冷静というか、通っていた工藤塾で面接対策をしたことが大きくて、第三者的に見ることができたと思います。実際に、私たちが医師になったら、どう貢献できるのかという方向に議論を持っていくことができました。

合格発表はどこで確認しましたか

家だったのですが、当日は母が出かけていて、夕方の5時まで帰ってこないという状況でした。落ちていると思っていたので、1人で見る勇気がありませんでした。朝10時に見て、落ちていたら、数時間を1人で過ごさなければいけないのが無理だなと思ったんです(苦笑)。

そうしていたら、学校の先生から家の電話に留守番メッセージが入っていました。「電話しなきゃ」とは思ったのですが、結局は母が帰ってきてから合格を確認しました。後から聞いたら、担任の先生が、朝の10時から職員室をうろうろしながら「おかしいな」「受かっているはずなのに」とブツブツ言っていたらしいです(笑)。「受かっていないにしろ、連絡が来ない」と頭を抱えていたとのことで、ご心配をおかけしました。

翌日、学校に報告に行ったのですが、職員室に入ると、いろんな先生から祝福してもらいました。それで、受験勉強が終わったんだと実感しました。

小中高と静岡サレジオに通いました

中学受験を考えてみたこともあったのですが、小学校の6年間を過ごして、静岡サレジオの環境が自分に合っていると感じていました。小中高が同じ場所にあるので、困ったときに小学校の先生に相談できるとも思いました。完全に新しい環境ではなく、雰囲気が分かっている安心感というものがありました。

温かいと言うとありきたりなんですが、先生も友人も、相手を否定せずに、自分のやりたいことを応援してくれるんです。言葉にするのが難しいのですが、自分の好きなことをやれて、それを受け入れてくれるような環境でした。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(Mさん)