静岡から医学部へ 〜Nさん(長崎大学 合格)〜

Nさん(静岡市立高校卒)
2025年度推薦入試で長崎大学に合格

医学部を目指すきっかけが、何かあったのでしょうか

明確に「この瞬間」というのはないんですよね。ただ、小さい頃は小児喘息とかアレルギーとかがあって、病院によく通っていました。なので、病院の医師や看護師というのが、最も身近にあった職業だったんです。それで、知らず知らずのうちに、医療に携わりたいという思いを持つようになったんだと思います。

医療職の中でも、医師を選んだ理由を教えてください

最初は看護師になりたいと言っていたんです。その中でも助産師になりたいという思いがありました。その頃から、産婦人科に関わりたいということは、自分の中で固まっていました。

それで、職業について調べていくうちに、自分が思い描いている仕事は、助産師ではなくて、どうやら産婦人科医の業務のようだということに気付きました。そして、中3の夏か秋くらいに、「産婦人科医になりたい」という結論にたどり着きました。

調べる中で、医学部受験の難しさについては、どう考えていたのでしょうか

逆に運が良かったと思うのですが、漠然としか考えていなかったので、「難しいみたい」「そんなもんだよね」くらいにしか考えていませんでした。

それよりも、職業について徹底的に調べて、自分が働いている姿を想像して、「医師になるんだ」と先走っていました。医学部に合格しないといけないとか、6年間通わなくてはいけないとか、過程は全部すっ飛ばして、絶対に医師になるという思いだけを持っていたんです。なれるもんだと思っていました(笑)。

そして高校に入学し、1年間が経ちます

その頃には医学部受験のレベルの高さも分かってきて、「勉強が間に合わないんじゃないか」と焦ってきました。そこで、高1の3月から医学部専門の工藤塾に通うことにしました。工藤塾では、高1から入試問題レベルに取り組めたことで、早くから入試問題に対しての意識を持つことができました。本当に通って良かったです。

勉強で工夫したことはありますか

寝る時間が遅くならないように気を付けていました。遅くとも0時、それ以降は勉強してもあまり意味はないと思っていました。課題量が多いときは、早起きして学校に行くようにしていました。朝型の勉強法を徹底しました。睡眠はすごく大事だと思います。

それと、暗記科目は寝る直前にやっていました。地理や生物、化学の教科書だったり参考書を、寝る30分前から読んで、スマホは見ないようにしていました。起きてからも、前日覚えたことを、パラパラとではありますが、確認するようにしていました。

推薦入試で長崎大学を受けることにしました

母が調べて、出願資格があることを教えてくれました。日本最古の医学部ですし、祖父母も住んでいるので、ぜひ受けたいと思いました。姉も長崎大学に通っていて、「いい大学だよ」と勧めてくれました。縁がある土地、大学だったので、合格できて本当に良かったです。

長崎大学の推薦入試は、地域医療ゼミナールの受講が出願要件になっています

最初はホールで、長崎県の地域医療の概要について、講義がありました。その後は場所を移し、4人グループで、「長崎県の地域医療を持続的により良くするためには」というテーマでアイデアの出し合いというか、話し合いをしました。そして、その話し合いを踏まえて、自分の考えをレポートにまとめるというものでした。すごくあったかい雰囲気で、楽しかったです。

共通テストの手応えはどうでしたか

1日目の地理は、失敗したという感覚はまったく無かったのですが、手応えありという感じでもありませんでした。今までの模試通りというわけでもなく、何かふわっとしてたというのが正直な感想です。直前に体調を崩していて、病み上がりだったのと、だいぶ緊張していたからだと思います。

国語は時間的に厳しかったです。感触もあまり良くありませんでした。でも、大滑りはしないかなという感触でした。最後が自信のある英語だったので、その日は気分良く寝ることができました(笑)。

2日目は理系科目です

化学は、後から平均点が低かったことを知りましたが、私としてはそこまで難しいとは思いませんでした。ただ、自己採点すると、思ったより点が取れていませんでしたが(苦笑)。感覚としては、もっと点が取れていたような手応えでした。

生物は、今までとは少し傾向が違うように思えました。知識問題が少なく、初めて導入される事柄や実験に対する考察が中心だったんです。知識問題に不安があった私にとっては、ありがたかったです。

共通テストの数学については、とにかく時間配分が大事だと思いました。教科書の内容や式などの成り立ちを理解したうえで共通テスト形式の演習を、できるだけ数多くこなすことが1番の勉強法だと思います。

難しい問題が解けることよりも題材を根本的に理解できることが大事だと思います。数学の共通テスト形式は一時期伸び悩みましたが、少しでもつまづいたらすぐ次へ切り替えるなど、問題を飛ばす勇気を身に付けてからは安定して得点できるようになりました。

本番のⅠAは時間が足りず焦りました。ⅡBCはすごく手応えありだったので、自己採点結果も納得いく点数でした。

情報は、夏に高校で集中講義を実施してくれました。新しい科目なので、その他の対策も手厚かったです。最初は二進法が本当に分からなかったのですが、何かの動画を見たのがきっかけで、すとんと腑に落ちたんです。苦手意識のあったプログラミングも、一度「分かった!」となってから、得点できるようになりました。

自己採点の結果は、どう受け止めましたか

無でした。目標点は超えましたが、平均点も度数分布も分からない状況なので、喜ぶこともできません。とりあえず第一関門は突破できた、大コケしなくて良かったという気持ちでした。

共通テストが終わってから、すぐに面接がありました

志望理由と、なぜ産婦人科なのか、保護者は長崎大学に行くことについてどう思っているのか、などの質問がありました。長崎大学に通っている姉も含めて、家族は応援してくれていますと答えました。

あとは、「いろいろな経験をしていると思うのですが、日常で何を意識していますか」という質問もありました。Stanford e-Japan※などの経験を通して、さまざまな人たちと話し合う機会がたくさんあり、本当に人それぞれ、抱えているものがあることを知りました。なので、誰でも大変なことがあるという気持ちをもって、相手に寄り添うように心がけていますと答えました。

※スタンフォード大学が主催する、日本に住む高校生対象の、英語での講義

難しい質問はありましたか?

「海外の経験が豊富ですが、アメリカでは自分の意見を主張しないと会話に参加していないかのように受け取られて、日本では逆に場の空気を読んで静かにしていることがマナーというか、コミュニケーション法ですが、あなたはどちらのタイプですか」という問題は、予想していなかったので少し考えました。

都合がいいかもしれないんですけど、両方のいいとこ取りをしていて、必要に応じて使い分けていけたらという方向で答えることができました。

本番の面接は、思っていた以上に優しかったので、逆に和み過ぎてしまった部分はあります。気が緩んで余計なことを話してしまわないように気を付けましたが、どこまで踏み込んで話をしてよいのかのラインが難しかったです。

面接が終わった直後は、ガッツポーズしたくなるくらい手応えを感じていました。伝えたいことをちゃんと伝えられましたし、想定外の質問にもしっかりと答えることができたので。ただ、発表までの3週間で振り返っていくうちに、「馴れ馴れし過ぎたんじゃないか」と、ちょっと不安になることはありました。

合格発表はどこで確認しましたか

学校の補講の授業中に、机の下でこっそりと見ました(笑)。合格と分かって、本当に合っているのか、何十回も確認し直しました。授業が終わって家に帰ってからも「間違いじゃないよね?」と、ずっとスマホの画面を確認していました(笑)。