静岡から医学部へ 〜Oさん(埼玉医科大学 合格)〜

Oさん 
磐田南高校卒。2019年度入試で埼玉医科大学に合格

解いた過去問は
高さ70センチ超に

医師になろうと思ったきっかけ

小学生から高校生までの間に、400時間以上のボランティア活動に参加してきたのですが、その中で自然と「人の役に立てる仕事がしたい」と考えるようになり、医師を志望するようになりました。

ただ、勉強は後でもできると考え、高校時代はボランティア活動と、弓道部、学級の副委員長の活動に集中していました。そのため、2浪目での合格と、学力を取り戻すのに思ったよりも時間がかかってしまいました。

それでも、高校時代にやっておきたいと思った活動を粘り強くやり遂げたことや、浪人を2年間経験し、毎日12時間以上勉強する習慣を身に付けたことは、今後も学びを継続していく上で、大きな支えになってくれると思います。

将来は、医師という枠を超え、一人の人間として患者さんたちと関わっていく総合診療医になりたいと考えています。ボランティア活動などで多くの方々と接してきた経験を、患者さんとのコミュニケーションに役立てていきたいです。

どのような浪人生活だったのでしょうか

現役時代は、数学は得意で、センター試験でも8割以上得点できたのですが、化学17点、物理38点と、理科がまるでできませんでした。国語も200点満点にも関わらず78点、英語も似たような得点でした・・・。

そこで、一念発起して、1浪目は名古屋で一人暮らしをしながら、医学部専門予備校で朝5時から深夜1時頃まで、1日17時間勉強していました。そのかいあって4月に30台だった偏差値が、7月には60を超えました。

それでも物量に頼り切った勉強方法のせいか、私立の医学部は全滅でした。センター試験も受けたのですが、物理が8割取れるようになったものの、化学はまだ苦手で50点台でした。数学は現役時代と同じで8割くらい。英語は多少上がりましたが、それでも110点台でした。

冷静になってみると、買い物も走って行って勉強時間を17時間確保するような生活は、無茶だったと思います。最後の方はあまり集中して勉強できませんでした。2浪目に通った静岡の医学部専門予備校では、「ちゃんと睡眠をとった方が勉強効率が高まるよ」とアドバイスされました。

1浪目を踏まえて、2浪目の勉強で工夫したことはありますか?

好きな科目ではなく苦手な科目を優先して勉強したり、負けず嫌いな性格を生かそうと考え、化学は予備校の生徒と競ったりしていました。物理も他の生徒と競争していました。競い合うことで、常に追い上げられていると感じ、良い緊張感につながったと思います。

物理で競争していた生徒とは、お互いの学力状況を話してみると、総合的に似通ってた成績だったので、途中からは全科目でライバルとして見ていました。今年、お互いに合格することができて、本当に良かったと思います。

加えて、受験校の過去問はできるだけ解くようにしました。自分が解いた過去問を積んでみたら、高さが70センチ超にもなりました。

自分の点数と合格最低点を比較したり、大問が何問あってどれくらいの時間を割いたらよいかを考えたり、時間配分や解く順番もすべて決めていました。試験当日はそれを確認し、決めた通りに実行しました。傾向が変わる大学もあるとは思っていましたが、それは他の受験生にとっても同じなので、傾向が変わらなければ大丈夫と思っていました。

赤本は10月頃から解き始めたのですが、時間を測ってやってみると、物理などは焦ってしまい、省くべきではないところを省いてしまったりして、全然点が取れなかったんです。そこで、先生に相談すると「大問ごとに時間を区切ってみて」とアドバイスされました。

実行してみたところ、いきなり90点以上取ることができました。全体で60分だと意識すると「早く解かないと」と焦ってしまうのですが、大問ごとに区切ると「まだ◯分考えていて大丈夫」と思えるようになったんです。問題量が多く見えても、区切れば時間内に解けることが分かりました。そこから物理は安定するようになりました。

前期では1次試験は通っていましたが、2次合格が出ませんでした

面接に行って2次で落ちるのが 本当に辛くて、もう後期は受けるのを止めようかと考えていました。予備校の担任の先生に説得され、結局は受験したのですが、最後まであきらめなくて、本当に良かったです。

浪人の最初の1年は勉強のやり方も分からなくて、量をこなすことしかできませんでしたが、この1年は、私なりに工夫して勉強することができたと思います。これは大学に行ってからもちゃんと勉強するうえで役立つかなと考えています。

今も入学後に備えて、生物の勉強を始めています。医師になるための勉強が始まるのが、今から楽しみですし、待ち遠しいです。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(Oさん)