医学部生に聞く! 私の勉強法3


杉本 望拓くん(浜松医科大学1年)

英語

単語を覚えるのが何となく好きで、中学1年生のときから、ずっと単語や文法を覚えていました。他の勉強はしていなかったので、ほとんど趣味です(笑)。ただ、単語は覚えていましたが、それをどうやって使えばいいかは、さっぱり分かっていませんでした。そこで、文の構造と、句や節にこだわって勉強しました。この句がこの名詞に係っていて、この節は次の文章を修飾していて、というというように丁寧に読んでいたんです。その時期があったからこそ、塾で教わった英文を前から読む練習が生きて、読解のスピードが上がりました。ただ文章が読めればOKという勉強をしていたら駄目だったと思います。そして、英語が得意だったからこそ、医学部受験もなんとかなるんじゃないか、と思うことができました。

数学・物理

最初はパッと見てパッと答えるような解き方だったのですが、だいぶ論理的に考えることができるようになったと思います。塾に行くまでは、「目の前の問題が解ければ、それでいい」というような勉強しかしていなかったんです。なので、同じような問題なら解けるのですが、少しでも条件を変えられると、もう対応できない。それが、「なぜ、その考え方が有効なのか」「どうして、この操作をここでやっているのか」ということに目を向けるようになって、論理的に解答を導き出せるようになりました。

物理であれば、目の前の問題を解くことだけを考えると、公式を覚えて当てはめる、というやり方になってしまう。そうではなく、最初に、物理学的な体系を、自分の中に取り込む必要があることを教わりました。そのおかげで、目の前のことだけでなく、全体的な視点を持てるようになったと思います。

また、塾の授業(個別指導)では先生を質問攻めにすることもありました。何が分からないのかを自分で理解していないと、まず質問が成り立ちません。自分の現状を分析した上で質問し、答えていただくというやりとりを繰り返すことで、考えが整理されていきました。「何が分からないのか」を分析できるようになったことは、受験勉強の大きな収穫です。

国語

受験で必要なことは分かっていたのですが、何をどうやっていいのかがよく分かっていませんでした。それが、塾でしごかれて、正直きつかったのですが(笑)、少しずつ「ああ、国語って成績上がるんだ」と実感できました。そのおかげで、高校3年時には成績が飛躍的に上がり、最終的には得意科目にすることができました。

苦手だった原因は、基本的な事項がそもそも抜けていたことでした。そこを覚えた上で、文章の中でどう使うのかを繰り返しトレーニングしました。日本語は主語が省略されることが多いのですが、書かれていない状況を推察して、具体的にイメージできるようになりました。古文単語でも、系統を分け、関連づけて覚える方法を教えていただきました。文章を読む上で使える覚え方だったので、とても助かりました。

小論文・面接

小論文では、最初は自分の言いたいことと、読んだ人が受ける印象が、予想以上に違うということに戸惑いがありました。自分では「素晴らしいものが書けた!」と思っても、採点してもらったら、修正で真っ赤になって返ってきたことが何度あったか・・・。「特別なことは書かなくていい、聞かれていることにしっかりと答えよう」と思えるようになって、ようやく文章が伝わりやすくなったと思います。

これは、面接での受け答えにも通じます。面接では、事前準備も大切ですが、想定と異なる質問をされた場合には、「聞かれたことに対して答える」という姿勢の方がいいかなと思います。用意していた言葉にこだわり過ぎると、質問された内容と答えが食い違ってしまいます。

復習・ノートの使い方

その日の授業で大事だと思ったことや、抜けていた定義を、持ち歩いていたB5サイズの白い紙に大きめに書いて、ファイルに挟んでいました。こまめに見返して、確実に覚えたものは捨てるという使い方です。高校3年生のときは、電車の中で、英語と古文の単語帳か、このファイルを見ていました。教科別にはせずに、なんとなくまとまりごとにファイルしていました。自分が分かっていないことだけがまとまっているので、便利ですよ。

あと、普段使うノートはケチらないようにしていました。1冊30円のノートを使っていたのですが、なるべく大きく使うようにしていました。30円払って覚えやすくなるならいいじゃないか、と。また、一つの事柄が裏表にならず、見開きで見えるようにしていました。左ページだけで終わったら、右ページは使いません。

現役合格に必要なこと

私の経験で言えば、遅くとも高校1年生のときから先取りを意識した勉強をしていかないと厳しいと思います。特に理科は、学校の授業が入試直前まで続くので、十分な志望校対策ができず、現役合格は非常に難しいと思います。私は、新しい分野を先取りし、分からないところは先生に質問して理解するようにはしていたのですが、演習量が不足していたため、高校3年生になってから苦労しました。もっと早くやっておけば良かったと、いつも後悔していました。

ただ、私の場合は中高一貫校に通っていたので、高校受験がありませんでした。だからこそ、中学3年生から高校2年生の間に、英語の基礎をひたすらやることができたんです。これが半年遅れていたら、得意の英語すら間に合いませんでした。ですから、結構ギリギリだったとは思います。もう一度受験するなら、もっと早くから始めます。

※インタビュー記事
静岡から医学部へ 〜杉本 望拓くん(浜松医科大学1年)〜
医学部生の大学生活とは?(浜松医科大学)