静岡から医学部へ 〜Sくん(金沢医科大学 合格)〜

Sくん
加藤学園暁秀高校卒。2019年度AO入試で、金沢医科大学に合格。

どう塾を利用するかを
すごく考えた

金沢医科大学をAO入試で受験した理由を教えてください

小学校の時期にドイツで学んでいたり、ギターの全国大会で3位入賞していたり、プログラミングを学んでいたり、今まで、勉強に直接は関係なくてもいずれ役に立つんじゃないかと思っていろいろやってきた経験が、評価してもらえるんじゃないかと考えました。

また、実際に大学に行って模擬面接をしてもらったりしたので、通う姿がイメージしやすかったんです。当初は他大学の推薦入試と悩んでいたのですが、実際に行って「最先端の医療を実施しているんだ」「自分のやりたいことができそう」と魅力を感じられたことが大きかったです。

実際の面接では、どんなことが話題になりましたか?

ロボットプログラミングの知識を活かして医療ロボットの提案をしました。「地域に根ざした、地域浸透型のロボット」で、薬のように、症状別にロボットを処方するというイメージです。

私は地域医療だったり、高齢者医療だったり、割と全体的な観点から話したのですが、「精神科にも使えるのでは?」との指摘を受けました。確かに地域医療も高齢者医療も精神的な部分が着目されています。そういった提案を実際に頂けたのは、興味を持っていただけたからかなと感じました。AIの進化もあって、自分の学んできたことがタイムリーだったことが良かったです。

もともと医師を目指していたのでしょうか?

いえ。最終的に医学部を受験をしようと決めたのは高3になる直前くらいでした。

ただ、意識するきっかけになったのは、東日本大震災です。まだ小学生でしたが、母の友人が被災したということで、ボランティア活動で訪問させてもらいました。困っている人たちに対して何かできることはないんだろうかと考えたときに、医療系に進もうとは考えていましたが、その時はカウンセラーを含めて幅広い進路を考えていました。

最終的に医師の道を選んだのは、やはり両親を含め周囲に医師として働いている人が多かったからだと思います。医師として具体的に人の役に立つことがイメージしやすかったんです。

現役のときの医学部受験の手応えはどうでしたか?

高校時代は特別一生懸命に勉強したということはありませんでしたから、無謀な状態のまま挑んだという感覚です。とても受かる気はしませんでした。

現役の時は夏期講習や冬期講習で東京の塾にも行っていたのですが、浪人の時は、父から「寮だったとしても、一人暮らしをすると自分でやらなければいけないことが増えてしまう。そうすると勉強にすべての時間を投じることができなくなる。だから、実家から通えるところがいいんじゃないか」と言われ、通える医学部専門予備校を探して入塾しました。

予備校を選ぶ際に重視したのは、授業形式です。私は集団授業がそんなに得意ではないというか、あまり好きではないんです。逆に完全に個別でも、1人で勉強をし続けるということになります。孤独な戦いは、本当にきついだろうなと考えていました。

ですから、5人くらいの小集団の授業を実施している予備校を選びました。小集団授業であれば、否が応でも毎日仲間に会いますし、お互い頑張ろうなと言い合えます。 今振り返っても、周りに一緒に勉強を頑張る仲間がいて、お互い鼓舞し合える環境が整っているというのは、めちゃくちゃ大きかったです。

自分の学力を上げるために、自分を進化させるために、どう塾を利用するかはすごく考えました。生徒側の考え方次第で、効果は変わると思います。

勉強する上で工夫したことは何でしょうか?

予備校の授業を自分なりにファイルにまとめて、それを活用するようにしていました。

このまとめファイルは全科目で作成しました。ホワイトボードに書かれたことはあえて授業ではノートに取らず、写真を撮るようにしていました。授業中は理解に努め、授業後に思い出しながらまとめていました。

数学では、問題をやるごとに、パターンではなく、考え方を書いていきました。先生の解説をまとめて、「なぜそうなるのか」を自分の中に落とし込むという作業です。発想方法は忘れないので、本番で解くときに役立ちました。

まとめファイルの一部

特に英語と物理が課題だったのですが、劇的に科目への取り組み方が変わったのは物理です。しっかりと習うことで、暗記していたことがどんどん理解に置き換わっていって、学力が確実になっていきました。現役時代は文字式として公式を覚えていて、値を代入して出る答えしか出せませんでした。理解をしていなかったので、少し難度が高くなると手が出ませんでした。それが、理解するようになると、どんどん応用問題も解けるようになりました。

英語も苦労しましたが、同級生や先輩たちと、お互いに学び合ったり教え合ったりすることができ、非常に力になりました。これも、授業が小集団でコミュニケーションが取りやすい環境だったからこそだと思います。

スマホを家に置いて、ネット断ちしていたとか

私はやりたいことはやり抜くし、調べたいことは調べ尽くすタイプなんです。見たい、知りたい、という知識欲が強いんだと思います。それが受験に直接関係ない所に向くのが嫌だったんです。ふと街中で気になったことがあって、それを調べて合格に近づくかというと、そうではないですよね(笑)。ですから、情報を遮断して、勉強に集中できる環境を整えました。受験において余計なこと、自分の知識欲を刺激する存在である情報を遠ざけたんです。

なかなか模試の成績が上がらなかったとのことですが、何が原因だったのでしょうか

自分の中では、確実に学力が上がっていましたし、昨年とはまったく感触が違いました。過去問をやっても解けますし。後は時間内に解く練習をしていけば一般入試でも合格できると考えていたので、あまり心配はしていませんでした。

これから医学部を目指す人たちへ

現役のときも、最後の最後まであきらめずに努力したほうがいいと思います。「まあ1年くらいならいいか」という人もいるかと思いますが、あとちょっとで届く可能性があるかもしれないと考え、最後まで頑張ったほうがいい。浪人したから予定通りに行くなんて保証はありませんから、その時出せる全力を出した方がいいのではないでしょうか。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(Sくん)