静岡から医学部へ 〜Wさん(筑波大学 合格)〜

Wさん(静岡サレジオ高校卒)
2022年度推薦入試で筑波大学に合格

中3からエグゼコース※を選択しました

※静岡サレジオの、医学部をはじめとした難関大学進学を目指すコース

医学部に行きたかったので、小6のときから決めていました。実際、エグゼコースにして良かったと思います。明るい人が多く、受験期でも、みんなでワイワイとしながら勉強することができました。

筑波大学を志望した理由を教えてください

今年度の共通テストは難化するとの予想があり、不安があったので、できれば、共通テスト前に合格したいという気持ちがありました。受験が早く終わると、その後にできることが増えます。たとえば、私は生物を履修していないので、生物を勉強することができます。英検の上の級を取れるように勉強するとか、自分の時間ができることがいいと思いました。

それに、私が医師になりたいと思ったのは、腎臓病のより良い治療法を見つけたいと思ったからなんです。腎炎隊※というWEBサイトがあるのですが、主要メンバーとして活躍されている山縣先生が筑波大学にいらっしゃると知ったことも、筑波大学を志望するきっかけになりました。
https://jinentai.com/

なぜ腎臓病の治療法に興味をもったのでしょうか

小学校4年生のときに、祖母が慢性腎不全で亡くなったんです。透析治療を行うのがとても辛そうな様子を見て、透析や移植といった腎代替療法ではなく、自分自身の腎臓の機能を改善できるような治療法を研究できる人になりたいと考えました。

医師以外の進路を考えたことはありましたか?

少し考えた時期はありました。高1の頃に、パソコンが好きなので、情報系がいいかもと思ったんです。ただ、パソコンを扱う仕事にはクリエイティビティが必要だと思うのですが、それが自分にあるのかと自問してみると、あまり考えられなくて(苦笑)。むしろ、直に人と関われたり、役に立ったと実感できる、医師という職業が、改めて魅力的だと思いました。

得意科目、苦手科目を教えてください

得意科目は英語で、苦手科目は数学などの理系科目です。割と小さい頃から英検を受けさせてもらっていたので、英語は昔から得意でした。ですから、合格後も、通っていた工藤塾のO先生と英検1級に向けた勉強をしているのですが、なかなか壁が厚くて・・・(苦笑)。しかも、合格発表の時には、英検の申込みが終わっていました(笑)。

英語の勉強で心がけていたことは

昔から文法と学校で実施される単語テストには力を入れていて、単語テストは毎回満点を取るつもりで挑んでいました。文法は、定期テストもあるので、この範囲はテストまでに完璧にしようと思って、何回も繰り返し勉強していました。それが最終的に、結構力になっていて、高3になってから文法はあまりやっていません。ずっと長文を読んでいるだけで大丈夫になっていました。

英語はやる日で2時間、まったくやらない日もありましたし、1時間くらいの日もありました。数学と理科に力を入れたかったんです。

フィリピンにボランティアに行って、英語に対する考え方が変わったとか

高1の夏に行ったのですが、すごく変わりました。日本では文法とライティングは勉強するんですけど、話す機会があまりないので、フィリピンの人たちとコミュニケーションが取れなかったんです。読めて書ける状態になっていても、話せない。それがすごく悔しかったので、アメリカ留学にも行こうと思いました。

アメリカには高1の冬に行くことができました。3カ月滞在したので、英語を聞き取れるようになりましたし、話せるようにもなりました。自分では、そこまでの変化は感じていなかったのですが、高校のALT(外国語指導助手)の先生が帰国することになったときに、仲が良かったので、家にお招きしておしゃべりをしたんですけど、そのときに、母に「英語がすらすら出るようになったね」と言われ、留学の効果があったんだなと気づきました。

大学院に行く前の英語のプログラムに参加したのですが、アメリカ人ばかりでもないんです。中国、韓国、サウジアラビアなど、いろいろな国から、様々な年齢の方が参加していました。私たちが最年少で、一番上だと40歳代の方もいました。ですから、最初は年齢にびっくりされました(笑)。

苦手な科目の勉強方法

数学は、『4ステップ』を何回も解き直して、分からないところを無くし、極めるようにしました。工藤塾に来てからは、M先生に勧めてもらった、『スタンダード演習』を最後まで終わらせようと取り組んできました。

物理は、ちゃんと理解していなかったことを、工藤塾のM先生に、本当にベースとなることから教えてもらいました。最初は「なんの話だ?」という感じで、言われていることが分からなかったんですけど(苦笑)、解き方ではなく、何が起こっているのかを理解することが大事なんだと教わりました。

化学は無機、有機が好きでした。ただ、理論が難しくて・・・。高2の途中から無機や有機が入ってきて、そうするとどんどん暗記しないといけないので、理論を忘れてしまっていたんです。高3になって問題演習し始めると、これはマズイと感じました。無機などで忙しくても、早いうちからちゃんと理論を復習しておけば良かったです。

少なからず計算ミスがありましたが、どう克服しましたか

実は、入試本番でも計算ミスで痛い目を見ました。どれだけ見直しをしても、結局は計算ミスが出てしまうんですけど、私は2回見直しても時間があれば3回見直すようにしていて、あきらめることはしませんでした。演習でも、どれだけ面倒な計算があっても、電卓は使わず、筆算するようにしていました。手計算してきて、少しはミスが減ったんじゃないかなと思います。

入試では、藤田医科大学のAO入試に挑みました

1次の学科の出来は、あまり良くありませんでした。数学の小問集合は、満点を取りに行くつもりだったのですが、2問分かりませんでした。大問2と3も、半分くらいしか解けなかったと思います。解答速報を見ると、「今年の目標は7割」みたいなことが書いてあって、そこまで解けている感触ではなかったので、「これは厳しいな」と思いました。

英語では、大問1は大丈夫だったと思うのですが、大問2の長文読解に苦労しました。「upside down」という単語がキーワードだったのですが、なかなか意味が覚えられなかった苦手な単語なんです。「逆さま」という意味なのですが、本番で意味が思い出せず、「これは、第2問ヤバい!」と思いました。ただ、「upside down」があまり関係していない箇所の和訳では、点が取れていたと思います。全体では7割くらいの手応えでした。

緊張はしましたか?

前日は家族が一緒にホテルに泊まってくれましたし、入試が始まるまでは、そんなに緊張しませんでした。でも、いざ始まって、問題を解いていくうちに、どんどん不安になっていきました。「この問題が解けなかった」「数学も厳しい」となり、さらには昼休みに友人と解けなかった問題について話をしてしまい、不安が増して「ダメかも」と思いました。

その後の小論文も、工藤塾でずっとK先生に教わっていて、「こう書けばいい」というのは分かっていたんですけど、いざ本番になると何を書けばいいか、頭が真っ白になってしまいました。なので、これは終わったなと思いました。

そして、2次の面接を迎えます

個人面接での受け答えは、そんなに悪くなかったと思います。学校での活動を聞かれたときにも、しっかりと答えられました。アメリカ留学についても質問がありました。

グループディスカッションのテーマはゴミの分別やリサイクルの問題について、同解決するかというテーマでした。司会をして仕切るタイプではないので、タイムキーパーに立候補しました。自分の意見は積極的に言えたと思います。

MMI※ではどんなことを質問されましたか

マルチプル・ミニ・インタビュー

「友人と2人で歩いているときに、店の場所を調べようと思って、道の端に寄ってスマホで検索していたら、男の子がぶつかってきて、スマホが落ちて割れてしまい、それを見た男の子が泣いてしまった。母親が男の子を怒っているが、どうするか」という質問が、少し難しかったです。

これ、誰も悪くないじゃないですか。だから、誰も悪いようにしたくなかったですし、どこで折り合いをつけるか、結構悩みました。友人も道の端に寄っていましたし、男の子もそれくらいの年来なら普通にありえる話です。なので、母親に、何が起きたかをきちんと説明し、理解してもらうことが必要だと考えました。男の子が心配だったり、嫌な気持ちになっているだろうから、男の子にも「心配ないよ」と声をかけることが重要だと話しました。

2つ目の質問も難しかったです。「コロナ禍で、部活で親睦を深めるために、部長が『県内でキャンプをしよう』と提案し、実施したところ、コロナ感染が発生してしまいました。あなたが新入生だったら、どういう対応をしますか」という内容でした。

部長の意見に反対した部員もいたという条件だったので、まずは部長に、コロナ禍の状況では行きたくないと言うことが大事だと答えました。親睦を深めることが目的なのであれば、練習をするだけでも親睦は深まるだろうし、他のレクリエーションをやってもいいんじゃないかと考えたんです。

面接の手応えは

悪くはないと思ったので、合格発表までは「受かっているといいな」と、ちょっと期待してしまっていました。ただ、国立の受験が控えていたので、そこは切り替えて勉強していました。合格が決まったときは、すごくうれしかったですし、ホッとしました。

次に、筑波大学の推薦に臨みました

学科は、全体的には例年よりも易化していたと思います。ただ、英語の並び替え問題が難しかったです。他の受験生もあまりできていなかったようなので、そこは割り切ることにしました。英語は得点率6割を切っているかもしれません。

数学は、出題ミスが見つかり、その問題は全員が正解となりました。大問が3つあり、それぞれに小問が3つついていたのですが、計算ミスが無ければ、9問中8問は正解していると思います。

化学では、気体定数を間違えて、有効数字が1つズレてしまうなど、結構計算ミスをしてしまいました。それでも、1問目と2問目は結構解けたので、全体では6〜7割くらいだと思います。

物理では、本当に馬鹿みたいなミスをしてしまいました。マイナスを付け忘れたんです。後から、自分でも「なんで!?」と愕然としました。練習と本番は、やっぱり違うんですかね。

問題を丁寧に読まないとなと反省しました。終わった直後には間違いに気付きませんでしたが、日が経つにつれて、「あそこを間違えた」「あそこでもミスをした」と気付いてしまって・・・。それでも、物理は7割くらいは得点できたと思います。

得意科目の英語が最も得点できなかったんですね

熟語をあまりやっていなかったことと、what、when、witch、whereをひたすら埋めるという問題でつまずきました。長文問題なのに、和訳もないんです。ですから、そのものずばり正解しないと、間違いになってしまいます。和訳が得点源だったなので、点数が伸びませんでした。

そして、翌日の面接に臨みます。

個人面接で、最初に志望理由書の要約があり、その後は筑波大学の志望理由、つくば市の印象、フィリピンボランティアなどについて聞かれました。比較的答えやすい質問でした。

研究に興味があるという話も面接でしました。「どんどん海外に羽ばたいていってください」とおっしゃっていただきました。

入試が終わり、当初は結構手応えを感じていたのですが、日が経つにつれて学科のミスが発覚し、「これはダメかも」と思うようになっていきました。毎日が辛かったですね。その分、合格と分かったときは、本当にうれしかったです。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(Wさん)