静岡から医学部へ 〜早川 凛くん(琉球大学 合格)〜

早川 凛くん(静岡サレジオ高校卒)
2022年度入試で琉球大学に合格

昔から医師になろうと思っていたのでしょうか?

いえ、中3までは特に医師になりたいとは思っていませんでした。中3の夏に、医学部専門予備校である工藤塾に入塾しましたが、勉強に不安があって入塾したので、特に明確に進路を決めていたわけではありません。

静岡サレジオと提携しているし、行ってみようかなと。それが、医学部志望になったのは、工藤塾のK先生にハンガリーの大学のことを教えてもらったことがきっかけでした。海外でも医学部に行けるんだと知って、医学部に興味を持つようになりました。それで、高1のときに、日本の医学部に進学することを決めました。

1学年上の先輩たちが、工藤塾の自習室でずっと勉強している様子を見て、勉強しなきゃとは思っていました。なので、学校のテスト期間などは、一緒に自習室にこもって勉強していました。

得意科目は英語ですが、昔から得意だったのでしょうか

いえ、そもそも、中学のときは英語が好きではありませんでした。中学の定期テストで英文が全然分からなくて、危機感をもって工藤塾に来て、K先生に教わるようになり、苦手意識は無くなりました。次にN先生に教わり、文法を叩き込まれ、内容がどんどん分かるようになり、高2の後半に英検準1級に受かりました。それからも分からない英文がどんどん減っていき、得意科目になりました。

また、アメリカの大学生が静岡サレジオに来るプログラムがあるのですが、中3のときは全然話せませんでした。でも高1のときには、来てくれた大学生とめちゃくちゃ仲良くなったんです。話が通じたのがうれしかったですね。高1のときにアメリカに旅行に行ったことも大きかったです。英語を話せると楽しいと実感しました。

苦手科目はありますか

早川:英語以外です(苦笑)。理系科目は、工藤塾の福屋先生に「問題が何を言っているのか、理解するように」と言われていて、やっているつもりなのですが、「まだまだ足りない」と言われ続けました。難しいと思いながらも、あとはひたすら理解するように努力しました。

基本的に、英語と数学は毎日勉強し、物理と化学は交互に勉強していました。今日は物理をやったから、明日は化学という感じです。夏休みに、担任の三山先生と1週間ごとのスケジュールを立てました。どの時間にどの科目をやってという。夏休みは、全部そのスケジュール通りに勉強しました。その中で、国語と地理も週に2回以上は勉強していました。

予定通りに勉強していく方が、「次は何をやろう」ということがないので、やりやすかったです。ただ、私は予定を立てるのが苦手なんです。ですから、その時間にやるページ数は勘弁してもらい、教材を決めて科目だけ書くようにしました。ページ数を書いてしまうと、終わらないかもしれないですし、早く終わっちゃうかもしれないじゃないですか。ですから、予定通りに進める自信がなかったんです(苦笑)。

共通テストについて教えてください

1日目は、地理はもう少し取りたかったですが、英語、国語も、まあまあの手応えでした。2日目の数学ⅠAは、最初にパラパラと全体を軽く見たのですが、「絶対に難しい」と思いました。実際にあまり解けませんでした。

そこで、昼休みに、同級生といったん集合することにしました。数学がものすごくできる同級生に聞くと、「みんな解けないと思うよ 」と言ってくれたので、安心することができました。

そして、切り替えて数学ⅡBに行くと、これも難しい。終了後に「難しかったよね」と確認しました(笑)。理科は化学からやったのですが、これも解いている最中に「難しいな」と感じました。物理はいつも通り解けました。

帰宅して、自己採点して、絶望しました。高校に報告に行くのが嫌でしたね(苦笑)。そこから受験校は悩みました。

後期は琉球大学を受験しました

前期でも受けたいと思っていたので、琉球大学に出願しました。ただ、共通テストで得点できなかったので、「どうせ受からないだろう」と思って、沖縄まで行くのは気が重かったです。出発する日の朝、行くかどうか、本気で悩みました(笑)。

琉球大学の2次試験は英語のみです

過去問と解いてみた感想は、「解けないことはない」でした。ただ、テーマによっては難しいかもと感じていました。あとは、時間との勝負ですね。普段からスピードアップのため、できるだけ、英語を日本語に訳さずに読むようにしていました。

本番では、終了30秒前に、なんとか最後の問題まで解き終えることができました。コロナのアルファ株とデルタ株の違いが出題されたのですが、スパイクがどうとか、タンパク質に変化するからとか、内容が専門的で難しかったですね。手がかりを元に、なんとか書き終えたたという感じです。書く量も多かったので、最後まで解き切れなかった人も多かったようです。

そして、面接を迎えます

面接官の方は3人いらっしゃって、最初の方が「サッカーのことは後の人が聞くだろうから、まずは志望理由を」と聞かれて、答えると、「じゃあ次の質問にいきます」と言われて、「えっ? もう終わり!?」と驚きました。

そして、次の方にサッカーについて聞かれました。キーパーをしていたので、フィールドプレーヤーとの違いや、大変だったことなどです。キーパーは、自分がミスをすると失点につながるので、気が抜けない、点を取られた場合にはすぐに切り替えると答えました。

すると、その経験は、医師になったときにどう生かせるかを聞かれました。いつかはミスをしてしまうときが来るかもしれないですが、その時に、すぐに切り替えて、次の患者さんに集中したいと答えました。引きずるとミスにつながると思ったので。

英検準1級を持っていることについては褒めていただきました。「なぜ取れたと思う?」と聞かれたので、国際交流に参加したことを伝えました。将来、英語をどう生かしますかという質問には、海外からの旅行者を治療する際に使えますと答えました。

それで終了したので、「えっ、もう終わり?」「絶対に落ちた」と思いました。友人に、もう1年勉強すると宣言したくらいです。合格したと分かったとき、両親は喜んでくれましたが、「よく受かったね」と驚かれました(笑)。

これから医学部を受ける人たちにメッセージを

他人の勉強法を安易に真似しないことですかね。私は自分に合った勉強法を見つけて、実践していました。見つけるためには、もちろん、いろいろな勉強法に挑戦してみる必要がありますが、他人から聞いた勉強法が絶対正しいと思い込まないことが大切だと思います。

1日10時間以上勉強しろとか言うじゃないですか。でも、私はぶっ続けで勉強はできないんです。ですから、ちゃんと休憩を取りながら勉強するというスタイルでした。学校でも、普通に授業を受けて、10分の休み時間も勉強すると、どこかで集中力が切れると思うんです。そんなに人間の集中力は続かないじゃないですか。ということは、授業中のどこかでサボってしまっていることになると思うんです。

授業中にしっかりと集中して、休み時間にリフレッシュして、次の授業に集中した方が、私には合っていました。メリハリが大事なんです。実際に1日12、13時間勉強している人もいますが、全員ができる勉強法ではないと思います。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(早川 凛くん)