静岡から医学部へ 〜Mさん(島根大学 合格)〜

Mさん(静岡雙葉高校卒)
2024年度推薦入試で島根大学に合格

医師を目指すようになったきっかけを教えてください

中学3年生のときに、祖母が倒れて救急搬送され、手術を受けるということがありました。私の周囲で、誰かが倒れて手術を受けるというのは、初めての体験だったので、とても衝撃的でした。しかも祖母は、健康にすごく気を遣っていて、健康番組をよく見ており、食事の節制や、定期的な運動もしていました。なので、まさか倒れるなんてと。

今は日常生活を普通に送れるくらい元気になっているんですけど、手術のお陰で明らかに元気になっていくのを目の当たりにしました。医療の力ってすごいなと感じましたし、そんなことができる主治医の先生に憧れを抱き、医師を目指すようになりました。

医学部を目指すにあたって、勉強以外で取り組んだことはありますか

中学生のときから医療に関する本を読んだり、母が協力してくれて、医療ドラマを見られるだけ見たりしました。あとは、夏休みに、大学の研究室に行って自分の興味のある研究について実験させてもらうこともありました。

医学部ではないのですが、富山大学の工学部に行ったときに、有機化学の実験を行って失敗したことが印象に残っています。物質を抽出する実験だったのですが 、大学院生の方が「大丈夫だよ」と励ましてくれるだけではなく、参加者が昼食をとっている間に、やり直してくださったんです。

「抽出できたよ」と言ってくれて実験を続けられたおかげで、とても良い経験をさせていただきました。私も医学部に入って、こういった人の成長につながる活動をしてみたいなと思いました。

国公立大学の医学部は難関で知られていますが、進路に迷いはなかったのでしょうか

最初は漠然と医学部に行きたいという感じで、絶対に医学部とまで思っていたわけではありませんでした。でも、周囲に医学部志望であることを言ったり、自分で勉強をしていく中で、届くかもしれないと思えるようになってから、目指そうと決意しました。母がすごく背中を押してくれたので、感謝しています。

得意科目と苦手科目を教えてください

得意科目は地理です。苦手なのは現代文というか国語全般です。

苦手を克服するためにしたことはありますか

現代文に関しては、学校で100字要約という取り組みをしてくれました。問題集に載っているような文章を100字要約して、解答を見て採点して、抜けていた要素などをメモするんです。それを先生に見てもらい、どこを見れば抜けなかったのかといった指摘してもらっていました。

テスト期間以外で定期的に実施してくれたことで、文章を読むことに対する抵抗感も減っていきましたし、島根大学の小論文を解く際にも役立ちました。

島根大学を目指した理由はなんでしょうか

国公立医学部は基本的に前期一発勝負なので、推薦入試も受けたいと考え、母もいろいろと調べてくれた中で、島根大学に決めました。地域医療にすごく力を入れていて、HPを見るといろいろな取り組みが紹介されており、興味を持ちました。1年次から早期体験実習があり、早いうちに医療を学べる環境も魅力的でした。

推薦入試では、年内に小論文と面接がありました

小論文は国語の記述問題のような形式です。医療関係のいろいろな分野が混ざったような文章で、難しい内容でした。加えて、1問だけ問い方が複雑で、どう答えたら良いか迷うような問題もありました。その問題以外は、なんとか自分なりの答えが書けたんじゃないかと思います。学校での要約練習が生きました。

面接では少しミスをしてしまいました。最初の質問でオープンキャンパスに参加したかどうかを聞かれたのですが、面接官の方がマスクをしていたこともあり、うまく聞き取れなかったんです。緊張していたため、聞き直すこともできず、私が8月にオープンキャンパスに行った後に、何かイベントがあったんだと思い、「行ってません」と答えてしまいました。

でも、その後の話を伺っていると、どうもオープンキャンパスの話をしているようだったので、あわてて「すみません。行きました」と答えました。面接官の方からすれば、「どっち?」ですよね。これは変に思われたかなと、自分の中でもショックが大きかったです。

それ以外は、「もっとこう答えれば良かったかな」というのはあるんですけど、質問にもしっかりと答えられましたし、止まってしまうこともなく会話できたかなと思います。

島根の印象を質問された際には、前日夕食で食べた島根料理のことを答えました。しじみ汁のお椀のサイズが大きくて驚いた話をしたところ、笑ってくれながら「島根は田舎だから、お店も少ないけど、それでも来る覚悟はありますか?」と質問してださったので、「あります!」「行きます!」と言い切りました。行きたい気持ちは伝えられたと思います(笑)。

共通テストにはどう臨みましたか

過去問は、科目にもよりますが、7〜8回分くらい解いて臨みました。本番は、最初が好きな地理だったので、これはラッキーだなと思いながら受けることができました。

どの科目も手応えが無いわけではなかったのですが、いつも以上にすごく出来たというわけでもなく、まあいつも通りか、ちょっと高かったらいいなという感じで、希望があるというよりは、希望を持ちたいなと思いながら1日目を終えました(笑)。

2日目の数学ⅠAは、難しかったですがなんとか耐えたという感じです。少しやばいかもとも思いましたが、同級生が同じ教室に3人いたので、休み時間に「難しかったよね」と話したりして、みんなも難しいと感じたんだと安心することができました。友人たちと話すことでリラックスでき、割と落ち着いて臨めました。

ただ、家に帰って、自己採点が終わると、思っていたよりも落としていて、半泣き状態です(苦笑)。

その後、前期試験に向けてはどう切り替えましたか

1週間くらい落ち込みましたが、その間も塾の授業に出ていましたし、勉強はしていました。前期試験に向けてやるべきことはたくさんあったので、1週間後には落ち込む気持ちが薄れていきました。

そして、合格発表を迎えます

ダメだと思っていたので、合格発表の日も、自宅で中期に受験する大学の過去問を解いているところでした。母が合格発表の時間に合わせてパソコンを開いて声を掛けてくれたので、期待せずに番号を確認しました。

2人で、「番号があった」と叫んでからは、何度も確かめて、お互いに抱き合って号泣でした。合格できて安堵しましたし、本当に嬉しかったです。母は「あんな感動は初めてで、生涯忘れない」と言っています(笑)。

これから医学部受験をする人にアドバイスをお願いします

英語と数学は、本当にちゃんと勉強しておいた方がいいです。私自身、やっていたつもりだったのですが、今思えば、もっと出来たんじゃないかと思います。