静岡から医学部へ 〜豊田 聖くん(浜松医科大学 合格)〜

豊田 聖くん(浜松学芸高校卒)
2021年度入試で浜松医科大学に合格

医師になろうと思ったきっかけを教えてください

小学校の頃に、祖母が脳梗塞で倒れるということがありました。後遺症が残ってしまったのですが、そのとき、私が第一発見者だったんです。朝ごはんのときに祖母がいなかったので、「なんで来ないんだろう」と様子を見に行って、発見しました。動けない様子で、言葉も「あー」としか話せない状況でした。

もしかしたら、その動けなくなっているときの体勢が悪いかもしれないのに、焦って何もできない状態でした。祖母のために、何かできたんじゃないかという後悔の気持ちがあります。こんな思いを繰り返さないために、医師になりたいと思うようになりました。

高校2、3年生の頃には、姉が研修医として働き始めました。毎日、家に帰ってくると、「今日はこれができるようになった」とか「今日はこんなことを教えてもらった」みたいなことを、楽しそうに話していたんです。そんな姿を見て、改めて医師になりたいという思いが強くなりました。

どんな医師になりたいですか

丁寧な診察を行い、適切な治療をすることはもちろんですが、医師の方が書かれた本を読んで面白そうだったので、医学教育に少し興味があります。次世代の医師を育てられるような人になりたいと思っています。そういった私の姿を見て、医学教育を志す人が少しでも増えたらいいなと考えています。

高校時代をどう過ごしましたか

現役時代は塾に通わず、学校の授業と独学だけでした。特に、理系の科目は真面目に授業を受けていました。ただし、英単語など、コツコツやらないといけない勉強にはまったく手を付けていませんでした。全体としては、不真面目な受験生だったと思います(苦笑)。

その反面、部活動は結構頑張りました。自然科学部に所属していたのですが、静岡大学と共同で、人工衛星を打ち上げるプランにも参加しました。宇宙ステーションの破損した部分を、人工衛星を使って修理できないかなどを考えていました。人工衛星の名前は「Stars-AO(あおい)」なのですが、実は私が名付け親なんです。

浪人が決まり、どう勉強してきましたか

医学部専門予備校の工藤塾に通っていたのですが、基本的には授業の復習をしっかりとやりました。教わった内容を思い出す時間を作り、その上で問題集を解いていました。国立クラスは授業が週に11コマあるのですが、進めば進むほど復習する範囲も広くなっていくので、結構大変でした。

最初はどうやって勉強していくのか、試行錯誤していました。書き写してみたり、なぐり書きでスピード重視でノートをまとめてみたり、動画サイトを参考にして、いろいろと試してみました。最終的には、このA4サイズ用紙に、小さな文字でまとめる形に落ち着きました。覚えられない単語なんかを全部ここに書いていくんです。これを1日の最後にまとめて、翌朝復習していました。

化学だと、単語の知識はもちろん必要なのですが、表現する力も重要です。酸化還元反応という言葉だけだと、そんな言葉があるんだ、で終わってしまいます。「酸化還元反応の定量関係が◯◯」といったように、文にしてセットで覚えるようにしていました。表現で覚えておくと、記述のときにパッと思い出しやすいんです。こういう書き方をすればいいんだと。

単語だけで覚えるのは危険だと思います。どうやって使えばよいかが分からなくなってしまいます。文で覚えると、どういう使い方をすればきれいに書けるかとか、どう書けば文字数が収まるかとか、そういったときに役立ちます。

生物では、これをやらないとまったく点が取れなかったので、必須の勉強法だと思っています。ホルモンの分泌だったら促進・抑制という言葉を使いますが、茎の太さだったら、肥大・縮小と表現します。そういったところも含めて書いて、覚えていきました。

矢印も結構使いました。アセチルコリンはアセチルcoaに分解してとか、どんどん矢印で繋いでいって、表現をストックしていきました。特に自分が分からなかったところや、試験に出たら嫌だなと思ったところは、すぐに書いてまとめていました。図も描きました。きれいに描けたときは、気分がいいんですよね(笑)。

通っていた工藤塾は質問しやすい雰囲気で、実際にかなり質問していたのですが、「自分で調べれば済む」という質問はしたくありませんでした。そういった課題は、絶対に自分で解決しようと思っていました。その方が頭に入りやすかったんです。

そして受験を迎えます

割と早い時期に私立の合格をいただくことができ、前期試験に集中することができました。ただ、本番では、英語は人並みにできましたが、数学がボロボロで。理科も取れるところを落としてしまっていました。間違いに気づいた後に、時間が足りず、そのまま終わってしまったんです。ですから、後味の悪い結果になってしまいました。

1日目の帰りに、迎えに来てくれた車の中で、父に「ダメだった」「失敗した」という話をしたくらいです。父からは「頑張ったな」「お疲れ様」と声をかけられました。後期はレベルが高いですし、これは国立は難しいかなと思っていました。

2日目の面接は、だいたい10〜15分くらいで、すぐに終わってしまったという感じです。オーソドックスな質問ばかりだったのですが、もともと面接が苦手だったため、個人的にはタジタジになってしまった場面はありました。

実は、面接がかなり苦手だったので、秋から工藤塾で繰り返し対策してもらいました。それでも、本番ではちょっとぎこちなかったと思います(苦笑)。でも、最初のときよりは、マシになっているのかなとは思いました。集団討論の対策もして、多少はしっかりと話せるようになりました。

結果は、見事合格でした

喜びというよりは、「受かったんだ・・・」と、まさかという気持ちの方が強かったです。個人的には受かる見込みがないと思っていたので。2次試験の帰りに失敗したと話していたので、父も落ちると予想していたと思うんです。それが合格だったので、「本当に良かったねえ」と泣いて喜んでくれました。

医学部を目指す人たちにアドバイスはありますか

復習は絶対にやらないとまずいです。ありきたりな言葉は、本当に守った方がいいと痛感しています。世間で言われ続けていることには、真実があると思います。今の時代は、動画を含め勉強法をいろいろと知ることができるので、情報収集もしておいた方がいいと思います。自分に合った勉強法が見つかるかもしれません。あと、学校の授業も大切にしてください。