静岡から医学部へ 〜佐藤 大雅くん(名古屋大学 合格)〜

佐藤 大雅くん(静岡サレジオ高校卒)
2022年度推薦入試で名古屋大学に合格

医師になろうと思ったきっかけは

最も大きかったのは、陸上部に所属していて、高2のときに怪我をしたことです。アスリートの方たちは、こんなに苦しい思いをたくさんしているんだと知り、私の力でこういった思いをするアスリートを少しでも減らすことができればと考え、医師を目指しました。

将来はスポーツドクターとして、陸上の日本代表チームや、プロチームのキャンプや合宿に参加し、選手たちを支えていけたらと思っています。

なぜ名古屋大学を志望したのでしょうか

名古屋大学に、私の尊敬する先輩がいるんです。高校時代に陸上でインターハイに行っていて、現役で名古屋大学医学部に合格し、大学入学後もインカレ陸上で全国優勝した、すごい先輩です。高校は違うのですが、陸上つながりで知り合いました。

その先輩と一緒に練習させてもらったときに、「うちの大学は素晴らしい」と言っていて、名古屋大学に興味を持つようになりました。その先輩によると、名古屋大学は、強制されることがほとんどないんです。医学部生はとても忙しいと思うんですけど、勉強をするのは当たり前、自分からするものという雰囲気で、自分が勉強以外にやりたいことが見つかったら、どんどんやれると聞きました。実際に先輩は、ソニーが主催するビジネスプランコンテストに、工学部の方と協力して参加していました。

総合大学で、各分野に専門家がいるので、いろいろな刺激がもらえるんじゃないかと考えました。名古屋大学は、自分が何かやりたいと思ったら、それを全力で応援してくれる大学だと知り、志望するようになりました。。

勉強をする上で、大切にしていたことはありますか

しっかりと計画を立てるようにしていました。スマホに何をやるかを1日単位で入力していました。1日単位で決めておくと、「今日は何をやろう」と考える時間がなくなります。自分でここまでやるという目標が見え、自分がやっている勉強に自信が持てるので、計画を立ててきたことは良かったと思っています。

計画は毎週月曜に立てるようにしていました。1人で作っても良し悪しが分からないので、学校の各科目の先生にも相談していました。自分の意見だけではなく、プロフェッショナルの意見を聞くのも大事だと思っていました。

具体的には、問題集の名前と1日にやるページ数、やる時間帯を入力していました。1つの問題集ばかりやっていると飽きてしまうので、1日に何十ページもするのではなく、1週間かけて、これくらいのページ数を終わらせようと決めていました。そうすると、1日に何冊もの問題集に取り組むことになるので、気分転換になり、勉強に対する飽きがこなかったです。

私は数学が好きだったので、苦手な国語や英語から始めて、飽きてきたらいったん数学をやって、もう1回英語をやって、物理化学をやるみたいな感じです。数学が休憩でした(笑)。きっちりと時間を決めてやるというよりは、1日に設定したページ数を1日の中で終わらせるという気持ちで勉強していました。

人間である以上、どうしてもだらけてしまうこともあるので、分量は多少の余裕を持たせるようにしていました。

共通テストについて教えてください

苦い思い出ですね(苦笑)。1日目は体調もよく、万全の状態でテストに臨むことができました。試験会場が静岡サレジオ高校の近くだったので、いつも通り自転車で会場に向かいました。車で送ってもらうと眠くなってしまう可能性があったので、身体を動かしておきたかったんです。試験会場に着いたら、陸上の大会前など、勝負前に聴いている曲を聴き、いつもと同じコンディションでいられました。

まずは地理からでした

えーと、感覚的には結構点が取れたと思っていたんですよ。満点取れたんじゃないかというくらい、良いスタートを切れたなと。国語も満点取れたかもと思いました。英語は過去問や予想問題で9割取れていたので、気楽に臨んだんですが、解き終わった後に、これも満点じゃないかと。結果はさっぱりでしたが(苦笑)。

2日目は理系科目です

数ⅠAは本当に解けなかったですね。解けない問題は飛ばして、最後に戻ったのですが、やはり解けず、最後の5分くらいは手が震えて、マークできない状態でした。理系科目が得点源で、全科目満点を本気で目指していたので、これはヤバいと思ったんです。数ⅠAが終わった後に、廊下で同級生たちと話したのですが、数学がめちゃくちゃできる同級生もできなかったと言っていたので、それであれば、みんなできていないだろうと、気持ちを切り替えました。同級生たちと話せて良かったです。

気を取り直して数ⅡBに臨むことができたんですが、点数は・・・(苦笑)。化学も文章が長くて難しかったです。読んでいるうちに嫌になるほど面倒でした。「これはきっと、みんなもできていないだろうから大丈夫」と思うことにしました。数ⅠAの時点で、「今年の共通テストは難しい」と思っていましたが、最後の物理は簡単でした(笑)。それでも、いつもとは違いました。Z会の予想問題集を解いていると、たまに実生活に物理を応用する問題がありましたが、ほとんどその類の問題ばかりでした。

共通テストを終えて

2日目の夜に自己採点をしたんですけど、得点が低すぎてびっくりしました。数ⅠAで失敗したことは分かっていたので、最初に自己採点しました。次に難しいと感じていた化学を採点し、「ヤバいっ!」と思いました。名古屋大学の前期の第1段階選抜の合格ラインが700点以上だったので、これでは名古屋大学を受けられないと分かり、絶望しました。

自己採点が終わってから、名古屋大学の先輩に電話して、「行けないかもしれません」と伝えました。名古屋大学しか考えていなかったので、どうしたらよいか分からなくなったんです。「正直、医学部はどこも大きくは変わらないから。今落ち込んでいても、それ以上プラスになることはないから、次どうするか考えよう」と励ましてくれました。

そこで、いろいろと調べて、私の得点率でも合格できそうな大学を探しました。共通テストリサーチはすべてE判定でしたが、2次で点を取る自信はあったので、逆転合格狙いです。

自己採点をした日だけは落ち込みましたが、翌日以降は、わだかまりはありつつも、どうにかしてプラスに持っていこうと考え、前期の受験校の勉強をしました。10年分くらいは解いたと思います。ただ、浪人も半ば覚悟していて、母親に浪人していいかの確認は取りました(笑)。

推薦で名古屋大学に出願しました

前期の足切りに引っかかってしまうので、名古屋大学に行けるチャンスがあるなら出願しておこうと思いました。募集要項を確認しても、推薦入試は足切りがなかったので、少しでも可能性があるなら受けたいと思いました。推薦書も書いてもらいましたし、両親に頼んで、受けさせてもらいました。

推薦入試当日のプレゼンでは、3つの課題から1つを選ぶのですが、私は「不老不死を現代の医学で実現するには、あなたはどのような研究をしますか」という課題を選びました。iPS細胞やES細胞といった再生医療に関する知識を土台にして、プレゼンすることができました。再生医療そのものが問われたわけではないのですが、その知識を応用することができました。

面接では何を聞かれましたか?

医学的なことや、なぜ研究医になりたいかが聞かれるかなと思っていたのですが、そういったことは一切質問されませんでした。多分、学校の推薦書にしっかりと書いてくれていたからだと思うのですが、陸上部のことや、学校生活のことばかり聞かれました。陸上のことなら何でも答えられますし、話しているうちに楽しくなってきて、結構生き生きと答えられたと思います。

趣味を聞かれたときに「ピアノです」と答えたのですが、すごく興味を持ってくれました。「なんで始めたの?」「今も弾くの?」「どんな曲を弾くの」など、多くの質問がありました。自分がやってきたことなので、これも答えやすかったです。

プレゼンのあとの5分くらいの面接では、研究医の志望理由など、オーソドックスな質問だったので、通っていた医学部専門予備校の工藤塾で対策した通り、しっかりと答えられました。

そして、見事に合格します

当日は、午前中は工藤塾の自習室で勉強していたのですが、手につかなくて、学校に行きました。そして、職員室で結果を見たのですが、先生方がすごく喜んでくれたのが印象的でした。本当に周囲の皆さんのお陰で合格できたと思っています。

担任の先生が、共通テストの点数を知っているのに、ずっと「絶対に受かるから」と言ってくれていたんです。合格することで静岡サレジオへの恩返しじゃないですけど、感謝の気持ちを伝えられたのかなと思います。

名古屋大学の先輩に合格したことを報告したら、泣きそうなテンションで「おめでとう」と言ってくれました。

受験勉強で辛かったことはありますか

共通テスト直後くらいですかね(笑)。決して勉強を進んでやりたいわけではないんですけど、将来のビジョンは明確なので、それに向かって努力している自分は格好いいなと思うようにしていました(笑)。

これから医学部を目指す人に、やっておいた方がいいことをアドバイス願います

これは、みんな感じていると思うのですが、もっと早くから勉強をやっておけばよかったなと思います。

※参考:工藤塾合格者インタビュー(佐藤 大雅くん)